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「選択」という行動心理を理解し、マーケティングのヒントにする本

コロンビア大学ビジネススクール教授の著者は、20年間ずっと「選択」をテーマに様々な実験や調査を行い、その行動心理を研究してきた。その結果、「選択」に関する意外な事実が判明し、それを豊富な事例と共に紹介している。人間が行う「選択」という行動心理の理解は、マーケティングにも応用できるため、ビジネスにも使える内容になっている。

超短要約

人間は「選ぶこと」を本能としている。誰もが自分の人生を自分の力で選択でき、コントロールしたい。人はどのような状況であっても、自己決定権を要求する。
一方で、人は必ずしも正しい選択をするとは限らない。選択をするにあたっては、衝動、熟慮、知識、経験、バイアスなど様々な要素が絡むからである。また、選択というプロセスは、時に人を混乱させ、消耗させる。選択の力を活用するには、選択には不確実性がある事を理解しておく必要がある。

著者 シーナ・アイエンガー

1969年生まれ。ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクール教授 1969年、カナダのトロント生まれ。両親はインドのデリーからの移民で、シーク教徒。1972年にアメリカに移住。3歳の時、眼の疾患を診断され、高校にあがるころには全盲になる。家庭では、シーク教徒の厳格なコミュニティが反映され、両親が、着るものから結婚相手まで、すべて宗教や慣習できめてきたのをみてきた。 そうした中、アメリカの公立学校で「選択」こそアメリカの力であることを繰り返し教えられることになり、大学に進学してのち、研究テーマにすることを思い立つ。スタンフォード大学で社会心理学の博士号を取得。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
オリエンテーション 私が「選択」を研究テーマにした理由 p.7 7分
第1講 選択は本能である p.15 24分
第2講 集団のためか、個人のためか p.43 54分
第3講 「強制」された選択 p.107 29分
第4講 選択を左右するもの p.141 29分
第5講 選択は創られる p.175 35分
第6講 豊富な選択肢は必ずしも利益にならない p.217 39分
第7講 選択の代償 p.263 42分
最終講 選択と偶然の運命の三元連立方程式 p.313 14分

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ユーザーのしおりメモ (2)

Naofumi Tsukamoto

わたしたちはどんな状況であっても、選択の自由を手放すことを嫌う。それはなぜかと言えば、選択を通じて自分の人生をより良いものに変えられるという信念があるからだ。だがその反面、どの道を選んでも自分の幸せを必ず損なうような選択が存在することを、わたしたちは経験的、本能的に知っている。
2013-02-05
 

Naofumi Tsukamoto

たとえささいな選択であっても、頻繁に行うことで、「自分で環境をコントロールしている」という意識を、意外なほど高めることができる。行動をちょっと変える、たとえば自分の力を際立たせるような方法で話したり考えたりするだけで、自分の精神的、肉体的状態を大きく変えられるのだ。
2013-02-05