日本だけが貧乏になっている
世界の中で日本だけが二十年間貧乏になり続けている。この二十年間の国民全体の家計所得は、日本はマイナス12%。フランス、イギリス、アメリカはこの間2〜2.5倍になっている。新興国に至っては十倍ぐらいになっている。
家計所得が減るから消費は伸びない。資産は伸びていたが停滞している。資産が伸びない根本的な元凶の一つは住宅価格の下落である。日本の住宅の耐用年数は27年。アメリカ63年、イギリス84年と比較して短い。これは銀行の担保審査の事情による。アメリカ人が貯蓄をせずに家を買えた理由は、家を転売すれば銀行預金よりも利回りがいいというインセンティブがあったからである。
住宅、クルマ、教育コストが消費も貯蓄もできない状況を生み出している
日本では、家を買った瞬間に一千万円が飛ぶ。買った翌日に売りに出すと、買ったときよりも一千万円も下がっている。日本は、家を所有することに対するペナルティが他国に比べ高い。他国では35歳で35年ローンを組み、70歳まで払い続けるという国民はいない。アメリカ、イギリス、ドイツなどでは、よほどの貧民街でなければ、買った家は必ず値上がりする。車も同様である。
また、子供の教育に関しても、幼稚園から大学まで私立に通わせると2047万円、すべて国公立で793万円。住宅、クルマ、教育コストによって、所得の50%以上を取られ、他に消費できなくなっている。
日本を復興するにはどうすれば良いか?
1、地域の繁栄をもたらすための道州制
2、日本人のメンタリティの変革
今、世界で繁栄しているところはすべて地域である。中国も「市」という点が繁栄しているのであって、「国」という面ではない。国全体で舵を切るのではなく、自立した地域ブロックが各自のやり方を行い、その中で成功事例を共有していく。まずは、土地使用の自由化と補助金ではない資金(外資の導入等)を各地域ブロックに委ねることである。
日本人のメンタリティを変えよ
日本のサラリーマンは、ただひたすら景気と所得の回復を待ちわびている。将来は明るという前提の下に、ローンを組み、家、クルマ、教育にコストをかけている。これが日本人を貧乏にしている。日本人は20年間、下降曲線まっしぐらという自覚がない。
こうしたパラダイムから抜け出すには、個々人のメンタリティを変革するしかない。この世の中、どんな乱世になっても生き残ってみせる、というメンタリティが持てるかがポイントである。自分自身が頼みの綱だと覚悟を決めなければ、日本も元気になりえず、復興もありえない。