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マーケティング3.0とは

長年の間、マーケティングは、以下の通り進化を遂げてきた。

・マーケティング1.0
製品中心のマーケティング。機能的価値の提案
ex.「顧客は好みの色の車を買うことができる。好みの色が黒であるかぎりは。」

・マーケティング2.0
消費者志向のマーケティング。機能的・感情的価値の提案
ex.「顧客は王様である」

・マーケティング3.0
価値主導のマーケティング。機能的・感情的・精神的価値の提案
ex.「より良い世界にする」

今日の情報化時代、消費者は十分な情報を持っており、類似の製品を簡単に比較することができる。製品の価値は消費者によって決められ、その消費者の選好はバラバラである。マーケターは、市場をセグメント化し、特定の標的市場に向けて他社より優れた製品を開発しなければならない。

こうした消費者中心のアプローチが、これまでのマーケティングであったが、現在は価値主導のマーケティング3.0が登場している。マーケティング3.0では、マーケターは人々を単に消費者とみなすのではなく、マインドとハートと精神を持つ全人的存在ととらえなければならない。

消費者は混乱に満ちた世界において、社会的・経済的・環境的公正さに対する欲求に、ミッションやビジョンや価値で対応しようとしている企業を探している。選択する製品やサービスに、機能的・感情的充足だけでなく精神の充足をも求めている。

マーケティング3.0を実行するには、企業は、より大きなミッションやビジョンや価値を持ち、世界に貢献することを目指さなければならない。

3iモデル

マーケティング3.0では、ブランド、ポジショニング、差別化のバランスを「3i」というコンセプトによって、完全にする必要がある。

①ブランド・アイデンティティ・・・ブランドを消費者のマインド内にポジショニングすること。
②ブランド・インテグリティ(完全性)・・・ブランドの信頼を醸成すること。
③ブランド・イメージ・・・消費者の感情をつかむこと。

消費者が横につながっている世界では、ブランドはポジショニングを明確にするだけでは価値がない。単にポジショニングしても、それが好ましいアイデンティティを持つとは限らない。ブランドを消費者のマインド内にポジショニングし、ブランドへの信頼を醸成し、消費者の感情的なニーズや欲求にアピールする。つまり、3iを同時に成立させる必要がある。

また、マーケターは消費者のマインドと精神に同時に訴えかけて、彼らのハートを動かす必要がある。ハートを動かすには、消費者と同じ夢を持ち、世界に違いを生み出すことが重要となる。そのために、企業は社会貢献を自社のミッションやビジョン、価値に組み込むのが良い。