行動経済学研究の第一人者が、「人はなぜ不合理な行動をしてしまうのか」を事例をもとに紹介している。なぜ巨額のボーナスに効果があるとは限らないのか。なぜ私たちは自分の作るものを過大評価するのか。なぜ「自分」のアイデアは「他人」のアイデアよりいいのか。
著者自らが行った実験により、人間の持っている不合理を解き明かす。
私たちは、数々の意思決定バイアスの影響にさらされているため、不合理な行動をとる。これらは2つの教訓と1つの結論に要約できる。
①私たちには、不合理な傾向がたくさんある。
②私たちは、こうした不合理性が自分に及ぼす影響を、自覚していない事が多い。
つまり、自分が何に駆られて行動しているのか、よくわかっていない。
だからこそ、私たちは、直感を疑ってかかる必要がある。自分の直感に疑問を投げかけるには、実験することが大切である。
著者 ダン アリエリー
1968年生まれ。デューク大学教授 行動経済学研究の第一人者。テルアビブ大学で心理学を学んだ後、ノースカロライナ大学チャペルヒル校で認知心理学の修士号と博士号、デューク大学で経営学の博士号を取得。 その後、MITのスローン経営大学院とメディアラボの教授を兼務した。この間、カリフォルニア大学バークレー校、プリンストン高等研究所などにも籍を置いている。 18歳のとき、全身70%にやけどを負う事故にあい、3年間を病院で過ごした。その結果、いささか型破りなものの見方を身につけたという。その研究のユニークさは、2008年度にイグノーベル賞を受賞したことでも証明されている。
日本経済新聞 |
GLOBIS.JP グロービス経営大学院客員准教授 金森 努 |
週刊 東洋経済 2011年 2/5号 [雑誌] フレイムワークマネジメント 代表取締役 津田 倫男 |
帯 サイエンスライター 竹内 薫 |
マインドマップ的読書感想文 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序章 先延ばしと治療の副作用からの教訓 | p.9 | 14分 | |
第1章 高い報酬は逆効果 | p.29 | 32分 | |
第2章 働くことの意味 | p.75 | 27分 | |
第3章 イケア効果 | p.114 | 22分 | |
第4章 事前主義のバイアス | p.145 | 15分 | |
第5章 報復が正当化されるとき | p.166 | 33分 | |
第6章 順応について | p.213 | 29分 | |
第7章 イケてる?イケてない? | p.255 | 19分 | |
第8章 市場が失敗するとき | p.283 | 20分 | |
第9章 感情と共感について | p.312 | 18分 | |
第10章 短期的な感情がおよぼす長期的な影響 | p.338 | 22分 | |
第11章 わたしたちの不合理性が教えてくれること | p.369 | 13分 | |
謝辞 | p.388 | 2分 | |
共同研究者 | p.391 | 6分 | |
訳者あとがき | p.399 | 8分 |
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