18世紀の産業革命によって、世界に経済格差がもたらされた。しかし、第二次世界大戦後、国を越えて解放された世界経済の発展により、国ごとの経済格差は収斂する方向に向かっている。新興国の急速な発展する要件とは何か、これからも新興国は発展し続けるのか?
ノーベル賞受賞経済学者による現在の世界経済の動きがよくわかる本。
1950年当時の世界経済は、先進工業国に住む約7億5000万人が貧困から解放され、残る40億人ほどが取り残されるという格差が存在した。しかし、第二次世界大戦後、途上国世界の国々が成長を始めた。我々は格差が解消されつつある「収斂の一世紀」の中間点にいる。
現在の構図が続けば、途上国が世界のGDPの50%を突破するには、10年ほどしかかからない。但し、途上国が世界経済に与える影響が大きくなれば、国際関係は複雑性を増す。そのためにも、世界的なガバナンス・システムが必要である。
著者 マイケル・スペンス
1943年生まれ。スタンフォード大学フーバー研究所 シニアフェロー ニューヨーク大学スターン経営大学院 教授 ハーバード大学教養学部の学部長、スタンフォード大学経営大学院の学部長、世界銀行成長開発委員会の委員長を経て、現在スタンフォード大学フーバー研究所シニアフェロー、およびニューヨーク大学スターン経営大学院教授。 2001年にジョージ・アカロフとジョセフ・E・スティグリッツと共に、情報が浸透し、市場が発達する動学性に関する業績によってノーベル経済学賞を受賞した。 教育指導に秀いでているとしてジョン・ケネス・ガルブレイス賞を受賞、また、経済学思想への貢献によりジョン・ベイツ・クラーク・メダルを受けるなど、数多くの栄誉に輝く。
週刊 東洋経済 2011年 12/10号 [雑誌] BNPパリバ証券 チーフエコノミスト 河野 龍太郎 |
日本経済新聞 |
日経ビジネス |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.11 | 7分 | |
第一部 世界経済と途上国 | p.19 | 44分 | |
第二部 途上国世界における持続的高成長 | p.71 | 80分 | |
第三部 世界危機とその余波 | p.165 | 63分 | |
第四部 成長のゆくえ | p.239 | 99分 | |
あとがき | p.355 | 7分 |
途上国の発展は、先進国にとってもプラスのことだと思います。もはや、国内の消費は期待できない。
2011-11-22
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先進国と発展途上国の成長速度の差が、知識の差、つまりイノベーションの輸入によって起きているという指摘に納得です。
このまま発展途上国は成長するのだろうか。
2011-12-08
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