企業にとって、自分が持っている価値を訴求することは重要である。そのため、企業は自らの広報・宣伝活動をウェブメディアとして顧客に提供する「メディア化戦略」が必要となる。
メディア化のニーズと戦術
企業のメディア化戦略のニーズは複数に分かれるが、紙に書かれたチラシや会社案内をそのまま使い回したウェブサイトの時代は終わりつつある。
①ライフタイムバリュー(ターゲット別の既存顧客を新たなサービスに誘導したい)
顧客のライフタイム別ニーズや属性により用意するコンテンツや施策を変える。
②リードジェネレーション(新規の見込み顧客を開拓したい)
本来のサービスからスピンオフさせた一点ものの商品等を隣接した新商品の営業に使う。ニッチなコンタクトポイントを数多く用意する。
③エンゲージメント、CRM(直接的に自社顧客を囲い込みたい)
買った後の顧客をファン化させ、自社メディアに誘導する。また、自社の新製品やサービスをネット上でクチコミしてもらうよう促す。
④ブランデッド・コンテンツ・マーケティング(自社の優位性を認知させたい)
企業のストーリーを重視し、他社との違いを訴求する。
⑤フラッシュマーケティングなど(営業支援したい)
メディア化させる方法
①「フリーの仕分け」をする
自社の事業価値を見極め、潤沢にある資産をフリー化し、希少価値のあるものを有料で売り込む。
②キラー・コンテンツを用意する
キラー・コンテンツとは、ユーザーメリットに富んだ情報である。これは突然現れるものではなく、日々のコンテンツ組成の中から生まれる。即効性を求めて短期的な費用対効果を設定するとうまくいかない。コンテンツが共感をよぶには、企業担当者の「熱」が大切である。企業メッセージと、そこを主軸に編むプレミアムなコンテンツが戦略を支える。
③ブティック型メディア化戦略を使いニッチで勝つ
膨大なトラフィックを集めるサイト以外はロングテール戦略は難しい。セレクトショップや専門店になって、ニッチなジャンルに絞る戦略が有効である。ユーザーの嗜好が細分化されている中、未だに顕在化していない市場を狙うことが、企業のメディア化戦略の近道である。
④ソーシャルメディアに最適化させる
自社メディアがあればソーシャルメディアに最適化させ、情報流通網を構築する。ソーシャルメディアに情報を載せてユーザーに届ける場合、コンテンツを「静的」(それ自体クチコミを発生させない情報)なものから「動的」(クチコミを発生させるもの)なものに変えることを考える。
この時に「ゲーミフィケーション」の要素を応用する。
①報酬プログラムの付与
②可視化(ユーザーのアクティビティにおける達成や現在の状況等)
③競い合い
④協動