幸せを感じるためには「身近な他者に対して手助けをすること」である。全国1万人調査の結果、誰かのためになることをしたいと考えている人に「幸せだ」と考えている人が多い、という知見が得られた。
高度経済成長期から、消費社会、そして現代まで日本人の価値観の変遷を紹介しながら「社会貢献によって幸せを得る」ということを分析している。これからの時代、仲の良い身内ばかりでなく、「多生の縁」程度の人たちと少しずつ手を貸し合って、自分のできる範囲で貢献をしていくような関係を築いていく必要があると説く。
幸福度を高める身近な社会貢献について考える1冊。
人はお金さえあれば幸せになるというものではない。国際比較調査では、一人あたりGDPが一万ドルくらいまでは、所得が増えるほど幸福度が上がるが、1万ドルから1万5000ドルを超えたあたりで、幸福度との相関が弱くなると言われている。
幸せを感じるためには「身近な他者に対して手助けをすること」である。誰かのためになることをしたいと考えている人に「幸せだ」と考えている人が多い。しかも、例えば地球環境全体、人類全体のことを考えて貢献しようという人よりも、自分の身の回りで、自分にできることから始めていこうという人が、幸せになる度合いが高い、と分かっている。
震災後に行った全国一万人調査で、人々が見知らぬ他者とどのようにかかわりたいと考えているか、そのかかわりは個人にどんな効果をもたらすのかについて調べた結果、以下のことがわかった。
・他人にかかわって、相手のためになることをしたいと思っている人には、幸せな人が多い
・他人にかかわろうとする態度は、それが欠けていると人を不幸にするものではないが、幸福度を増す一つの要因になっている
・他人にかかわりたい気持ちはあるだけ人を幸せにする訳ではなく、「適切な範囲」がある
著者 鈴木 謙介
1976年生まれ。関西学院大学社会学部准教授 専攻は理論社会学。情報化社会の最新の事例研究と、政治哲学を中心とした理論研究を架橋させながら独自の社会理論を展開している。 著書『カーニヴァル化する社会』以降は、若者たちの実存や感覚をベースにした議論を提起しており、若年層の圧倒的な支持を集めている。現在、TV、ラジオ、雑誌などを中心に幅広いメディアで活躍中。
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2011年 02月号 [雑誌] |
週刊 ダイヤモンド 2012年 2/4号 [雑誌] フライシュマン・ヒラード・ジャパン パートナー 徳岡 晃一郎 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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まえがき | p.2 | 1分 | |
第1章 幸せの秘密はSQにあり | p.13 | 31分 | |
第2章 曲がり角にきた「ゆたかな社会」 | p.67 | 43分 | |
第3章 社会はこうして再生する | p.143 | 35分 | |
第4章 SQ社会の未来像 | p.205 | 26分 | |
あとがき | p.250 | 1分 | |
SQチェッカー | p.252 | 1分 | |
SQタイプ | p.254 | 1分 |
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