1000年以上前に中国で導入された自由競争社会のしくみを「中国化」というキーワードで表す。現在、世界標準となっている「中国化」のしくみと、これまで日本はどのように関わりを持ってきたかを紹介。歴史の中で日本がどのような社会制度を持ち、発展してきたか、これからどうなるのかを論じている。
「中国化」とは、1000年以上前に中国で導入され、今も全世界で続いている「経済や社会を徹底的に自由化する代わりに、政治の秩序は一極支配で維持する」しくみを指す。
日本では戦国時代以降、中国的な社会とは180度正反対の、日本独自の近世社会のしくみを定着させていった。それは、身分制度を受け入れることで、生活を保証されるというものである。この役割は家族や村から、昭和に入り企業へと変遷してきたが、現在は崩壊しつつある。江戸時代的な生活保障が崩壊した今日、行き着く先は「中国化」なのか。
著者 與那覇 潤
1979年生まれ。愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科 准教授 日本学術振興会特別研究員等を経て、現職。専攻は日本近現代史。東アジア世界に視野を開きつつ、フィクションという形に結晶した経験をも素材とした、歴史学の新しい語り口を模索している。
週刊 ダイヤモンド 2012年 1/28号 [雑誌] |
エコノミスト 2012年 2/28号 [雑誌] ビジネス・ブレークスルー大学教授 田代 秀敏 |
PRESIDENT (プレジデント) 2012年 4/30号 [雑誌] 甲南大学特別客員教授 加護野 忠男 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2012年 07月号 [雑誌] ジャーナリスト 佐々木 俊尚 |
週刊 東洋経済 2012年 8/4号 [雑誌] |
池田信夫blog 上武大学教授 池田 信夫 |
日経 ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 02月号 [雑誌] |
週刊 東洋経済 2012年 2/18号 [雑誌] |
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン)2015年 05 月号 作家 佐藤 優 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 新たな歴史観としての「中国化」 | p.10 | 10分 | |
第1章 終わっていた歴史ー宋朝と古代日本 | p.23 | 22分 | |
第2章 勝てない「中国化」勢力ー元・明・清朝と中世日本 | p.53 | 15分 | |
第3章 ぼくたちの好きな江戸ー戦国時代が作る徳川日本(17世紀) | p.73 | 16分 | |
第4章 こんな近世は嫌だー自壊する徳川日本(18~19世紀) | p.95 | 18分 | |
第5章 開国はしたけれどー「中国化」する明治日本 | p.119 | 31分 | |
第6章 わが江戸は緑なりきー「再江戸時代化」する昭和日本 | p.161 | 21分 | |
第7章 近世の衝突ー中国に負けた帝国日本 | p.189 | 16分 | |
第8章 続きすぎた江戸時代ー栄光と挫折の戦後日本 | p.211 | 24分 | |
第9章 「長い江戸時代」の終焉ー混乱と迷走の平成日本 | p.243 | 16分 | |
第10章 今度こそ「中国化」する日本ー未来のシナリオ | p.265 | 21分 | |
おわりに ポスト「3・11」の歴史観へ | p.293 | 4分 |
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