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2012/02/15更新

100円のコーラを1000円で売る方法

134分

5P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
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会計ソフト開発会社で10年間セールスひと筋、数々の武勇伝を持つ主人公の宮前久美は、商品企画部に配属となる。セールスの現場で「顧客が言うことは何でも引き受けることが正しい」と考えていた主人公は、そこで上司の与田から様々な事例を通して、マーケティングの考え方を学びながら、新しい商品企画に携わっていく。

顧客の要望に100%応えても0点

顧客満足は「顧客が感じた価値」から「事前期待値」を引き算したものである。顧客の感じた価値が100%でも事前期待値が100%なら満足度は0点である。顧客の要望が必ずしも正しいとは限らない。顧客本人も気づいていないような価値を見つけられるかが大切である。

顧客が望んでいて、競合他社が提供できない、自社が提供できる価値を「バリュープロポジション」という。この視点がなければ、顧客のあらゆる要望に対応する羽目になる。顧客のニーズを徹底的に絞りこみ、顧客が必要としていないと思えば、他社がやっていても切り捨てて良い。

他社がやっている事を一所懸命に自社でやろうとすれば、差別化ができず際限のない価格競争に突入して、利益がどんどん少なくなってしまう。

顧客の話を聞く事は大切だが、顧客が教えてくれるのはヒントだけである。

100円のコーラを1000円で売る方法

お客さんの言いなりになることを「カスタマー・マイオピア」と呼ぶ。お客さんが言っていることだけを鵜呑みにして、それにすべて対応しようとしてしまい、本当にお客さんが必要としていることに対応できず、長期的にお客さんが離れてしまう状態のことである。

コーラは、ディスカウントストアに行けば1缶50、60円ぐらいで箱売りしている。一方、リッツカールトンのルームサービスでは同じコーラが1035円。部屋でルームサービスに電話すると、最適な温度に冷やされ、ライムと氷がついた、この上なく美味しい状態で、シルバーの盆に載ったコーラがグラスで運ばれてくる。

顧客はリッツカールトンにコーラを値引いて欲しいと思わないはずである。リッツカールトンが売っているのは、心地良い環境で最高に美味しいコーラを飲めるという体験である。この体験は他では得られないので、顧客は値引きを要求しない。この場合、とことんまでサービス向上を図る。これを「バリューセリング」と言う。

コストを徹底的に下げて価格勝負する戦略は、市場リーダーにしかできない。本来、ほとんどの企業は価格勝負をしてはならない。価格を下げるのではなく、価値を上げて勝負し、カスタマー・マイオピアから脱却することが必要である。