半世紀にわたって読み継がれている名著。
個人と社会がたどる成熟・衰退・破滅のプロセスと、破滅を避ける「革新」についての考え方を説いている。
古典のためか、原文が難しいのか、訳のせいか、文章が堅いために若干読みにくい。
もし、社会が革新を実現したいと望むなら、創造的な人々にとって居心地のよい環境でなければならない。そのような社会はまた、自己革新の能力を持つ人々を創り出さなければならない。
自己を革新するためには、中年の歳になるまで、意識と感情の働きを麻痺させてしまわなければよい。若々しさによる柔軟性と、学習し成長する能力を、早いうちから手放してしまってはいけない。年齢を問わず、自己を革新することは可能である。
革新というものは社会であれ個人であれ、モチベーションや、意思の強さ、信念や価値観、その人の人生にとって意味あるものに依存する。無関心やモチベーションの低さは、衰退する文明に広く見られる特徴である。無関心な人々は、何も成し遂げることができない。何も信じない人は、改善のための変化を何も起こさない。
何が革新にとって必要かを意識しない限り、やがては成熟した制度や組織が私たちの文明を破滅させてしまう。
著者 ジョン・W・ガードナー
1912年生まれ。政治家 カーネギー・コーポレーション理事長、ケネディ大統領のスピーチライター等を経て、リンドン・ジョンソン政権で保健教育福祉長官に就任。10万人以上の職員を率いて「偉大な社会」政策を推進し、公民権、学校教育、医療制度の向上に尽力した。退任後は市民組織「コモン・コーズ」を創設し、ロビー活動を通して教育、政治改革、環境問題で成果を上げた。 その後も「インディペンデント・セクター」「エクスペリエンス・コープス」などを創設して草の根の市民活動を支援し、晩年はスタンフォード大学で教鞭をとった。 20世紀後半のアメリカを代表する知識人であり、高い道徳心を持つ社会変革のリーダーとして、多くの人々に影響を与えた。
帯2 アショカ創設者 ビル・ドレイトン |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 スタンフォード大学経営大学院名誉学長 ロバート・L・ジョス |
週刊 ダイヤモンド 2012年 7/7号 [雑誌] 八重洲ブックセンター・販売課 柏 明美 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.27 | 4分 | |
第1章 成熟、衰退、革新 | p.33 | 8分 | |
第2章 自己革新 | p.45 | 14分 | |
第3章 多面的能力 | p.67 | 6分 | |
第4章 イノベーション | p.77 | 16分 | |
第5章 革新を阻むもの | p.103 | 13分 | |
第6章 圧制者なき圧制 | p.123 | 13分 | |
第7章 革新の条件 | p.143 | 9分 | |
第8章 革新のための組織づくり | p.157 | 10分 | |
第9章 個人主義とその限界 | p.173 | 10分 | |
第10章 献身と意義 | p.189 | 10分 | |
第11章 未来に対する心構え | p.205 | 11分 | |
第12章 道徳の衰退と革新 | p.223 | 13分 |