今の世の中で仕事上の成功を手にするためには、自分のキャリアにもスタートアップの戦略を取り入れる必要がある。
競争する上での強みを培う
人材市場で他と差別化できる進路を望むなら「他の誰でもなく自分が採用される理由(強み)」を語れるようになる必要がある。優れたキャリアプランは「資産」「大志」「市場環境」の相互作用によって生まれる。
資産は、知識や情報、仕事に活きる人脈とそこで培った信頼関係、技能、評判、及び金銭など。大志は、アイデア、目標、ビジョンなど。市場環境とは、人材市場に提供するのと同じものをどれだけの人が提供していて、需要がどれだけあるか、ということである。
市場で競争力を培うには、これら3つをうまく組み合わせなくてはならない。
強みを活かすプランをつくり、改良しながら練り上げる
たった一つの秀逸なプランだけを実行する企業など一握りに過ぎない。大抵は、瀕死の経験を何度か積み重ね、環境に順応する。そのためには、ABZプランニングを行う。
プランA:自分の強みを活かすための最優先のプラン
プランB:代替プラン
プランZ:見通しの利きやすい非常時のプラン
キャリアプランも走り始めないことには、どのプランが最も良いのかわからない。プランAを試行錯誤し、そこで学んだことをもとにして、方向転換が必要であればプランBへ移行する。プランA、Bともダメになった場合に備え、安全網としてプランZを持っておく。
人脈を築く
起業家は休みなく逸材探しと経営チームづくりに努めているように、人生というスタートアップを助け合える人脈づくりに力を入れると良い。どの仕事も突き詰めれば人と人との関係に行き着くため、人脈は大きな意味を持つ。
本物のつながりを築くには、①相手の視点でものを考える姿勢、②相手をどう助け、力を合わせられるかを考えることが必要となる。まずは自分から相手に尽くす方法を考えるべきである。
人脈を大切にし、活動を絶やさず、飛躍の機会を見つける
成功はチャンスから生まれる。起業家は、絶好の事業チャンスを発掘する。チャンスがどこにあるのかがわからなくても、チャンスの質と量は意識的に増大させることができる。
チャンスとの出会いを劇的に増やすには好奇心をみなぎらせること。仕事のチャンスへの嗅覚が発達する。また、できるだけ多くのグループや団体に属するのが得策である。
リスクをとる
素晴らしいチャンスをめぐっては競争がある。だからこそ、よく考えた上でリスクを取れば、他の人が見逃すようなチャンスに気づく。
偉大なる起業家は、リスクそのものへの許容度が高いのではなく、リスクの大きさを見極めた上で対処する。リスクに賢く対処するには、不安定を伴う機会を追求して、打たれ強さを身に付けると良い。