相場予測の立て方
①トレンドをつかむ
相場には「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい」という3つのトレンドがある。現状の相場がどれに当てはまるかを考え、具体的な取引手法を考える。
・上昇トレンドの時
このトレンドがまだ続くと思えば、その流れについて行く「順張り」が適する。トレンドの終わりに近いとみれば、転換する水準を待って売りから入る「逆張り」が使える。
・横ばいの時
一定の幅で行ったり来たりを繰り返す、横ばいの時は、逆張りが最も適している。レンジの高値圏で売り、安値圏で買うを繰り返す。
②時間軸で相場を予測する
相場のトレンドをつかんだ後、どこで売り買いするのか、ストップロス(損失が出た場合に諦める水準)をどこに置くのかを組み立てていく。その組み立てに最も必要なのが「時間軸」である。
・超長期(2年以上先)
主に構造的な要因によって形成される。exユーロ圏債務問題
・長期(1〜2年)
貿易の構造変化や経常収支の変化よりも、循環的に起こりうるものが、為替のトレンドを左右する。ex各国の金融政策(金利差の変化、量的緩和など)
・中期(半年〜1年)
景気のトレンドや通貨間の金利差が影響する。景気が上向きで、金利が上昇傾向にある国の通貨は買われやすい。
・短期(1週間〜半年)
市場の雰囲気や需給、テクニカル要因などで短期相場は変動する。
・超短期(日中〜1週間)
市場参加者の思惑、経済指標発表後のサプライズ、ストップロスオーダーなど目先の判断で動く。
時間軸をきちんと分けて考えると、背景にある相場の変動要因が、どの程度の期間、相場に影響を与えるのかが見えてくるので、見通しを立てやすい。
③市場のテーマに注意する
中長期では景気動向が為替相場に影響を及ぼすが、ファンダメンタルズ通りに相場が動くとは限らない。相場を動かしているのは人間であり、「多くの人がそう思っている方向」に相場は動く。つまり、市場参加者の多くが注目している「市場のテーマ」が重要である。テーマはころころ変わるので、それを感じ取ることが必要である。
チェックすべき経済指標
相場は期待で動くため、重要な経済指標は相場に大きな影響を与えることがある。特に米国の金融政策に影響を及ぼす「雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数など)は重要である。
雇用以外には、物価関連の経済指標として「消費者物価指数」「PCEデフレーター」が注目される。
日本の経済指標は、デフレ圧力が続く限り、当面金融緩和のスタンスが続くことが市場参加者の共通認識になっているため、注目されない。