穀物市場で圧倒的なシェアを持つ米国が干ばつに見舞われ、穀物価格が上昇している。しかし、上昇の原因は、もっと構造的な変化によるものだと説く。
穀物価格の上昇と日本の債務危機が同時に発生すれば、輸入する食料価格は10倍になり、日本は深刻な食料危機に見舞われると警鐘を鳴らしている。
2015年、著者が予測する牛丼1杯1000円の時代は到来するのか?
21世紀に入り、穀物価格はこれまでと違った価格変動を見せており、相場は上昇し始めている。その要因は、次の2つのパラダイムシフトによる。
・人々が農業資源も有限だと気づいた
・人口増加に生産が追いつかない
実際、2006年末頃〜2008年の2年弱の間には、大豆、小麦、トウモロコシの価格は一時4倍に急騰している。今後、こうした穀物価格の急騰や債務危機が生じることで、日本は深刻な食料危機に見舞われる可能性がある。
著者 齋藤 利男
1953年生まれ。タクミ・アセット・マネージメント社 調査部門責任者 大学では農業経済学を専攻。卒業後、商社にて会計、税務、貿易、金融、財務などの各部門を担当。その後、信託銀行や内外の資産運用会社にてアナリストやファンドマネージャーとしても活躍。
日本経済新聞 |
エコノミスト 2012年 7/3号 [雑誌] |
TOPPOINT |
エコノミスト 2012年 9/11号 [雑誌] ジュンク堂書店 池袋本店 高見 圭一 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ…2015年◎月1日、牛丼並盛 ついに1000円台に | p.3 | 6分 | |
第1章 これからは穀物が国家の命運を左右する | p.17 | 17分 | |
第2章 アメリカの穀物戦略 | p.41 | 20分 | |
第3章 アメリカの覇権を脅かす中国 | p.69 | 14分 | |
第4章 穀物市場における投資マネー | p.89 | 20分 | |
第5章 ギリシャ以上に深刻な日本の債務問題 | p.117 | 19分 | |
第6章 日本を襲う食料危機 | p.143 | 24分 | |
第7章 もう一つの食の危機 | p.177 | 8分 | |
エピローグ…食料危機が起きても政府には頼れない | p.188 | 1分 |