2013年には、先進国と新興国の経済規模が逆転する。かつて、先進国への拡大こそが、グローバル化であったが、今後はこれまでと異なるグローバル化の波が押し寄せる。
新興国への拡大が中心となるグローバル化においては、生産や販売の海外移転だけでなく、研究開発や経営も含めた海外移転が必要になると指摘する。
日本企業が積極的に外国人採用に踏み切っている昨今の状況をとらえながら、今後グローバルに活躍できる人材像とその必要性を解説している。
今後、日本企業に必要となるグローバル化は、これまで言われてきたグローバル化と質的に大きく異なる。かつては、欧米などの先進国へ拡大することをグローバル化と呼んだが、今後は新興国への拡大が中心となる。
日本企業はグローバルに成長し続けるために、経営判断を行える人材を複数の新興国市場に分散させる必要があり、外国人幹部を育てていくことが不可欠になっている。
企業組織がグローバル化する際、最も必要なのは、グローバルなマインドを持った幹部だけではない。多様なバックグラウンドの人々と働き、成果を出せるマネジャーレベルや現場の層も多く必要である。先進国側で技術を十分に理解している人を活用できると同時に、新興国の顧客ニーズを理解している新興国の人材を活用できる必要がある。
著者 倉本 由香利
1978年生まれ。経営コンサルタント MITにてMBA取得後、日本に帰国。マッキンゼーにおいて、主に日本企業のグローバル化を支援する仕事に取り組んでいる。仕事のかたわら、グローバル化、技術経営、イノベーションについての研究・執筆活動を行う。
エコノミスト 2012年 7/24号 [雑誌] |
週刊 東洋経済 2012年 7/21号 |
TOPPOINT |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 3分 | |
1章 グローバル化の第三の波 | p.17 | 18分 | |
2章 なぜ日本企業の組織のグローバル化が必要になっているのか | p.41 | 33分 | |
3章 日本は今までどのようにグローバル化の波を乗り越えてきたのか | p.85 | 23分 | |
4章 「組織のグローバル化」を果たした日本企業のストーリー | p.115 | 36分 | |
5章 日本企業がグローバルな組織を構築していくために | p.163 | 25分 | |
6章 グローバル・エリートの時代 | p.199 | 21分 | |
7章 グローバル・エリートに必要なスキル | p.227 | 30分 | |
8章 日本独自の強みを活かすグローバル化 | p.267 | 21分 |