英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」の一人である著者が、2025年までの時代の変化を予測し、これからの働き方に必要な3つの転換(シフト)を示している。
■未来を形づくる5つの要因
未来に何が待っているかを知るためには、向こう数十年の世界を形作る5つの要因について考える必要がある。これらの要因が組み合わさり、働き方の常識の数々が根底から覆る。
①テクノロジーの進化
・世界の50億人がインターネットで結ばれる。
・地球上のいたるところで「クラウド」を利用できるようになる。
・「ソーシャルな」参加が活発になる。
・バーチャル空間で働き、「アバター」を利用することが当たり前になる。
・テクノロジーが人間の労働者に取って代わる
②グローバル化の進展
・24時間・週7日休まないグローバルな世界が出現した。
・新興国が台頭した。
・中国とインドの経済が目覚ましく成長した。
・バブルの形成と崩壊が繰り返される。
・世界の様々な地域に貧困層が出現する。
③人口構成の変化と長寿化
・1980〜1995年生まれの世代の影響力が拡大する。
・寿命が長くなる。
・国境を越えた移住が活発になる。
④社会の変化
・自分を見つめ直す人が増える。
⑤エネルギー・環境問題の深刻化
・持続可能性を重んじる文化が形成されはじめる。
働き方の未来を考える時、はっきり認識すべきなのは、これまでのキャリアの常識が通用しなくなるということ。テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化、この5つの要因により、仕事の世界が大きく様変わりすることを考えると、私たちは働き方をシフトさせなくてはならない。
①ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
世界中の何十億人もの人々がグローバルな人材市場に加わり、コンピュータがますます雇用を奪いはじめる結果、競争が激化する。私たちは高度な専門技能を習得し、大勢のライバルから自分を差別化しなければならない。
②孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
バーチャル空間で過ごす時間が長くなり孤独となることで、イノベーションと創造性が重要となる時代、関心分野を共有する少人数のブレーン集団「ポッセ」、多様なアイデアの源となる「ビッグアイデア・クラウド」、安らぎと活力を与えてくれる現実世界の友人「自己再生のコミュニティ」、これらを意識的に築くことが不可欠である。
③大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
手に入るお金が増えても、それに比例して幸せが大きくなるとは限らない。これまでは、仕事とは単にお金を稼ぐことを意味していたが、未来の世界では、自分のニーズと願望に沿った複雑な経験をすることを意味するようになる。
著者 リンダ・グラットン
1955年生まれ。ロンドン・ビジネススクール教授 経営組織論の世界的権威で、英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」の一人。 ファイナンシャルタイムズでは「今後10年で未来に最もインパクトを与えるビジネス理論家」と賞され、英エコノミスト誌の「仕事の未来を予測する識者トップ200人」に名を連ねる。 組織におけるイノベーションを促進するスポッツムーブメントの創始者。人事、組織活性化のエキスパートとして欧米、アジアのグローバル企業に対してアドバイスを行う。現在、シンガポール政府のヒューマンキャピタルアドバイザリーボードメンバー。
日本経済新聞 |
Chikirinの日記 ちきりん |
週刊 ダイヤモンド 2012年 9/15号 [雑誌] 早稲田大学ビジネススクール教授 平野 雅章 |
週刊 ダイヤモンド 2012年 9/22号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
日本経済新聞 神戸大学教授 金井 壽宏 |
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2013年 02月号 [雑誌] リブセンス社長 村上 太一 |
情報考学 Passion For The Future 橋本 大也 |
週刊 ダイヤモンド 2012年 11/3号 [雑誌] 八重洲ブックセンター販売課 柏 明美 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 04月号 [雑誌] リクルートワークス研究所所長 大久保 幸夫 |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
THE 21 (ざ・にじゅういち) 2013年 05月号 [雑誌] スプリー代表 安藤 美冬 |
日本経済新聞 慶応義塾大学教授 樋口 美雄 |
ビジネスパーソンのための「最強の教養書」100 (日経ムック) |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ 働き方の未来は今日始まる | p.1 | 6分 | |
序章 働き方の未来を予測する | p.15 | 10分 | |
第1章 未来を形づくる五つの要因 | p.34 | 25分 | |
第2章 いつも時間に追われ続ける未来 | p.69 | 21分 | |
第3章 孤独にさいなまれる未来 | p.96 | 25分 | |
第4章 繁栄から締め出される未来 | p.128 | 27分 | |
第5章 コ・クリエーションの未来 | p.162 | 21分 | |
第6章 積極的に社会と関わる未来 | p.189 | 15分 | |
第7章 ミニ起業家が活躍する未来 | p.208 | 17分 | |
第8章 第一のシフト | p.236 | 51分 | |
第9章 第二のシフト | p.301 | 28分 | |
第10章 第三のシフト | p.336 | 29分 | |
エピローグ 未来のために知っておくべきこと | p.373 | 9分 |
インターネットを通じて、不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。 企業などがクラウ…
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上) [Amazonへ] |
もっと時間があったなら!―時間をとり戻す6つの方法 [Amazonへ] |
アニマルスピリット [Amazonへ] |
勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来 [Amazonへ] |
クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める [Amazonへ] |
フラット化する世界 [増補改訂版] (上) [Amazonへ] |
企業の人間的側面―統合と自己統制による経営 [Amazonへ] |
伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト [Amazonへ] |