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2012/11/10更新

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

205分

4P

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働き方を変えて、自分の労働価値を高めよう!

「給料が増えない」「仕事が減らない」。資本主義経済では、労働者は搾取されるという構図を説明し、どのような働き方をすれば良いかを提示している本。

カール・マルクスの『資本論』、ロバート・キヨサキの『金持ち父さん貧乏父さん』、この2つの書籍の共通点には、「資本主義経済の中では労働者は豊かになれない」という主張があった。前者がその解決策として提示したのが、共産主義への移行のための革命、後者は不動産投資などによる、不労所得を得ることだった。

これに対し、著者は労働者が搾取され続ける資本主義経済から抜け出すための第三の解決策を提示している。

超短要約

■給料は生活の必要経費分しかもらえない
マルクスの『資本論』では、価値は2通りに定義される。

①使用価値:有益かどうか、役に立つかどうか
②価値:それを作るのにどれぐらい手間がかかったか=労力

商品の「値段」はその商品の「価値」を基準に決まる。その上で、使用価値が高く「需要が供給よりも大きい」場合は、その基準値から値段が上がっていく。

会社員にとっての売り物は「自分の労働力」であり、通常の商品と同じように取引を行っている。労働力も「商品」なのである。そのため、「労働力の価値(給料)」も「商品」と同じ理屈で決まる。

食費、家賃、洋服代、ストレス発散のための飲み代、そしてその仕事をするために必要なスキルを習得するまでにかかった費用が「労働力の価値」とされる。

よって、どんなに成果を上げても、「価値」が変わらなければ給料は変わらない。労働者の給料は、労働者が『生み出した価値』とは無関係に支払われる。成果を出している人は、多くの企業から「需要」される。そのため、給料が上がっているだけである。

「ワーキングプア」でも「高給取り」でも給料は、必要経費分しかもらえないという構造は変わらない。高い給料をもらっている人は、自分が仕事で使う経費が高いだけであり、「自分の生活には余裕がない」と感じているのは、給料が低い人と同じである。

■労働の価値を上げなければ、給料は増えない
商品には「使用価値」だけでなく、「価値」もなければならない。労働力という商品においても同じで、その労働力にはそれだけの労力がかかっているという「価値」がなければならない。「使用価値」で稼ごうと成果を出せたとしても、企業から支払われるのは、その成果を生むために費やした体力・精神力を回復させる費用だけである。

労働力の価値は、「積み上げ」によってのみ変えることができる。より高度な仕事をするために費やしてきた労力が「労働の価値」として認められる。仮に毎月必死にノルマを達成しても、それが「積み上げ」になっていなければ、労働力の価値は上がらない。

著者 木暮太一

1977年生まれ。経済学入門書ライター。 大学卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て、独立。 大学の講義姿勢に疑問を持ち、在学中に「気軽にはじめる経済学シリーズ」(マクロ経済学、ミクロ経済学、マルクス経済学)を自主制作し、大学生協や書店で累計5万部を販売。現在も、予備知識がなくても、読んですぐに理解できる本当にわかりやすい書籍の執筆に注力している。 著書に『今までで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社:15刷12万部突破)、『大学で履修する入門経済学が1日でつかめる本』『落ちこぼれでもわかるミクロ経済学の本』『落ちこぼれでもわかるマクロ経済学の本』『マルクスる? 世界一簡単なマルクス経済学の本』(以上、マトマ出版:シリーズ累計20万部突破)、『マンガ+講義でよくわかる 経済学超入門』(東洋経済新報社)、『はじめてのFX 1年生儲かる仕組み損する理由がわかる本』(明日香出版社)、『子供に教える「経済学」』(青春出版社)などがある。

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八重洲ブックセンター八重洲本店2階フロア長 佐藤 公紀

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに しんどい働き方は根本から変えていこう p.7 5分
第1章 僕たちの「給料」は、なぜその金額なのか? p.19 43分
第2章 僕たちは、「利益」のために限界まで働かされる p.99 28分
第3章 僕たちは、どうすれば「高い給料」をもらえるようになるのか? p.151 16分
第4章 年収1000万円になっても、僕たちには「激務」だけが残る p.181 17分
第5章 僕たちが目指すべき「自己内利益」の増やし方 p.213 18分
第6章 僕たちは、どういう「働き方」を選択すべきか p.247 26分
おわりに 働き方を変えて、生き方を変えよう! p.295 3分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

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