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2012/11/21更新

直感力 (PHP新書)

130分

5P

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直感力を磨くべし

直感とは自分自身の経験の積み重ねから生まれるもの。無駄なものはない。
多様な価値観を持つことが、直感を磨く。

将棋の世界で必要な能力『直感力』について、どのように身につければ良いのかを、羽生善治氏が解説している。


■直感×読み×大局観
「直感」と「読み」と「大局観」。棋士は、この3つを使いこなしながら対局に臨んでいる。一般的に経験を積むにつれ、「直感」と「大局観」の比重が高くなる。これらはある程度の年齢を重ねることで成熟していく傾向がある。「習うより慣れろ」というところだろうか。

「読み」は計算する力といっても過言ではない。従って10代や20代前半は基本的に「読み」を中心にして考え、年齢とともに「たくさん読む」ことよりは、徐々に大雑把に判断する、感覚的に捉える方法にシフトしていく。

超短要約

プロ棋士であれば、30分とか1時間とか、ある程度の時間を費やすことで、100手でも1000手でも「よく考える」ということだけであれば、できるようになる。ただ、それをしたところで、その対局におけるあらゆる展開の可能性から見ると、全体のほんの1/1000にも満たないことだけしか分からない。

今は、情報収集と分析、研究が進み、それを記憶していること、それに基づいた読みを進めることが第一義のようにも言われる。確かに読みは大切だが、それだけで結論が出せるほど将棋は甘くない。

将棋はひとつの場面で約80通りの可能性があると言われている。その中から最初に直感によって、2つないし3つの可能性に絞り込んでいく。残りの77とか78という可能性については、捨てる。大部分の選択肢は見た瞬間に捨てているということになる。

その2つないし3つ選び出す作業とは、写真を撮る時のようなものだと捉えている。ピントを合わせるような作業が直感の働きである。なんとなく、ここが急所ではないか、要点ではないかといったことを、それまでの自分自身の経験則や体験、習得してきた事の一つの表れとして掴むことができたら、そこに直感が働いている。

直感は、ほんの一瞬、一秒にも満たないような短い時間の中での取捨選択だとしても、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明することができるものだ。適当に選んだものではなく、やはり自分自身が今まで築いてきたものの中から生まれてくるものだ。

著者 羽生 善治

1970年生まれ。将棋棋士 1996年2月14日に将棋界で初の7タイトル独占を達成。 通算タイトル獲得数は、大山康晴に並び歴代1位タイ。全7タイトル戦のうち竜王戦を除く6つでの永世称号(永世名人(十九世名人)・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世棋聖・永世王将)の資格の保持に加え、名誉NHK杯選手権者の称号を含めた7つの永世称号の保持は史上初。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 1分
第一章 直感は、磨くことができる p.15 10分
第二章 無理をしない p.37 11分
第三章 囚われない p.61 8分
第四章 力を借りる p.79 11分
第五章 直感と情報 p.103 12分
第六章 あきらめること、あきらめないこと p.129 8分
第七章 自然体の強さ p.147 15分
第八章 変えるもの、変えられないもの p.179 14分
おわりに p.209 1分

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