数あるドラッカーの著作の中から選び抜かれた120の名言。
その選定にあたっては、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊氏、パナソニックの中村邦夫氏、ユニクロの柳井正氏、糸井重里氏、岩崎夏海氏などにも考えてもらったという。
ビジネスと人生の羅針盤となるドラッカーの教えが凝縮された1冊。
■チェンジ・エージェントたれ
組織が生き残りかつ成功するには、自らがチェンジ・エージェントとならなければならない。変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである。
組織自らが、全体としてチェンジ・エージェントへと変身しなければならない。そのためには、第一に、成功していないものはすべて組織的に廃棄しなければならない。第二に、あらゆる製品、サービス、プロセスを組織的かつ継続的に改善しなければならない。すなわち日本でいうカイゼンを行わなければならない。第三に、あらゆる成功とくに計画せざる予期せぬ成功を追求しなければならない。第四に、体系的にイノベーションを行っていかなければならない。
チェンジ・エージェントたるための要点は、組織全体の思考態度を変えることである。全員が、変化を脅威でなくチャンスとして捉えるようになることである。
■唯一の正しい答えはない
今や社会にかかわる状況、行動、問題のすべてがあまりに複雑である。唯一の「正しい答え」が通用するはずがない。たとえ答えられたとしても、答えは複数ある。しかも、それらのうちかなり正しいと言えるものさえ一つもない。
われわれは、どこに最終的な答えがあるかさえ知らないという前提でスタートしなければならない。したがってわれわれは、不統一、多様性、妥協、矛盾を受け入れなければならない。
あらゆる意思決定と行動がそれを行った瞬間から古くなりはじめる。したがって正常の状態に戻そうとすることは不毛である。「正常」とは昨日の現実にすぎない。
戦略上の意思決定において問うべき問題は、明日何をなすかではない。「不確実な明日のために今日何をなすべきか」である。
著者 P・F. ドラッカー
1909年生まれ。経営学者。 「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」をはじめ、マネジメントスキルのほとんどを生み育てた功績から「マネジメントの父」とも称されている。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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Ⅰ 顧客の創造 | p.1 | 2分 | |
Ⅱ イノベーションと企業家精神 | p.17 | 2分 | |
Ⅲ 利益と責任 | p.31 | 2分 | |
Ⅳ 組織と人 | p.45 | 3分 | |
Ⅴ 成果をあげる | p.67 | 3分 | |
Ⅵ 人としての成長 | p.90 | 2分 | |
Ⅶ ものの見方 | p.105 | 2分 | |
付章 社会 | p.119 | 0分 |