「自分が一生をかけて取り組む仕事を見つけたい」と自分探しを続けた著者は、20年勤めたディズニーランドを辞め、難病を患う子供とその家族を招待し、ディズニーランドなどを案内する活動を始める。
やりたい事が見つからない人へのアドバイスが書かれた1冊。
■あなたの役割は何ですか?
ディズニーランドでは、「あなたの役割は何ですか?」という問いかけを念頭において行動するように教え込まれる。ウォルト・ディズニーは、いわゆる仕事というものを、2種類に分けて考えた。「Duty(作業)」と「Mission(仕事)」である。そして、「あなたの役割は何ですか?」という問いかけは、後者についてなされる。
ディズニーランドにおいて「作業」とは、マニュアルで細かく決められていて、誰がいつやっても同じ結果が得られるもの、と定義されている。作業というのは、やって当たり前で、それだけで「自分は仕事をした」と思ってはいけない。必ずそれ以上のものが問われる。それが「仕事」である。
■自分の「非力さ」を知った人間は強い
大切なものほど目の前にある。でも、それに気が付かない人が多い。
では、大切なものに気付けるだろうか?
そのためには、自分に「足りないもの」を知る必要がある。
自分に足りないところが何なのかを知れば、今度は、自分が何をすべきなのかが見えてくる。自分が得意な事に注目して、「誰よりも得意だからこれが自分の役割だ」と思っていると、意外ともろい。自分よりもそれが得意な人が現れたり、分野をちょっと広げてみようと思ったけれども、よそでは全然通用しなかったりした時に、挫折を覚えてしまうからだ。
それよりも、自分が足りないものを自覚し、それを補うためにどんな努力をすればいいのか、どのように人に助けてもらえばいいのか、について考える人の方が、ずっと強い。「こんな自分でもできる役割は何か」と謙虚に考えることもできる。
著者 大住力
1965年生まれ。公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を 代表 大学卒業後、東京ディズニーランド等を管理・運営する(株)オリエンタルランドに入社し、約20年間、人材教育、東京ディズニーシーやイクスピアリなどのプロジェクトの立ち上げ、運営、マネジメントに携わる。 退社後、難病と闘う子どもとその家族への応援・支援を目的とした公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を立ち上げる。前職での経験を生かして、コミュニケーション、モチベーション、理念浸透などをテーマにした人材研修講師、国立富山大学非常勤講師なども務める。教育現場から企業に至るまで、全国各地での講演も数多く行う。
帯 聖路加国際病院理事長 日野原 重明 |
帯2 一橋大学名誉教授 野中 郁次郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに 自分の「役割」を探している人へ | p.9 | 4分 | |
1章 あなたの役割は何ですか? | p.21 | 10分 | |
2章 大切なことは目の前にいる人が教えてくれる | p.41 | 10分 | |
3章 仕事はお客さまに作られる | p.61 | 13分 | |
4章 ディズニーランドは永遠に未完成 | p.87 | 5分 | |
5章 心をいやす魔法の国 | p.97 | 10分 | |
6章 「ひとりじゃない」と伝えたい | p.117 | 14分 | |
7章 「思い込み」こそ力 | p.145 | 9分 | |
8章 名刺がない自分に何ができるか? | p.163 | 7分 | |
9章 立派じゃない人生で巡りあえたもの | p.177 | 6分 | |
10章 つながっていくいのち | p.189 | 7分 | |
おわりに | p.203 | 4分 |
ディズニーには、テーマパークの運営上、大量採用しなければならないという事情がある。しかし、ディズニー…
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