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2013/03/21更新

データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」 ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ

336分

9P

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データはどのようにしてマーケティングに活かすのか?

データ解析のプロである著者が、具体的な事例を紹介しながら、データ分析のマーケティングへの活用法を解説しています。


■誰にアプローチするか
目標とする売上や利益をもたらしてくれるのは、顧客だけである。問題は「どの顧客が貢献してくれるのか」という点だ。

・バリュースペクトラムモデル
このモデルは、重要度を基準にして顧客を4つのカテゴリーに分類する。それにより、誰に時間を費やすべきか、誰を無視しても良いかが一目でわかるのだ。

①「金脈」顧客(自社に対する支出額:大、予算の総額:大)
②「ジャックポット」顧客(自社に対する支出額:大、予算の総額:大)
③「ドングリ」顧客(自社に対する支出額:大、予算の総額:小)
④「レモン」顧客(自社に対する支出額:小、予算の総額:小)

従来の方法では、4カテゴリーに対して顧客を主観的に振り分けるぐらいで終わっていた。また顧客の中からトップ25を選ぶ程度だったろう。しかし、現在では統計モデルによって、自社の顧客が他でどの程度の予算を支出しているか把握する事ができる。その結果、「ジャックポット」顧客を探し当てられるだけでなく、何が購入の決め手になったのか、一緒にどんな製品を購入しているのか等を把握する事が可能になる。つまり、顧客のプロフィールを分析する事で、必要な情報を手にし、それに基づいて効率的な顧客獲得を実現できる。

超短要約

■どこで顧客を見つけるか
誰に話しかけるか、何を話すべきかの次に必要なのは、どこに顧客や見込み客がいるのかを把握し、会話を始める事である。潜在顧客を探す手段は主に4つのアクションが考えられる。

①メディアプランニング
ターゲットが接していると考えられるメディアの広告枠を買う。これはターゲットとしている人々のプロフィールと、様々なメディアの購読者のプロフィールをマッチングさせるものだ。多くの国では、様々なメディアを横断してアンケート調査が行われ、データが提供されている。

②地理的ターゲティング
顧客を地理の観点から探す。米国では郵便番号をターゲティングに使う事ができる。郵便番号ごとに、詳しい統計情報があり、社会人口学的なデータを得られるのだ。特定の地域に高い割合でターゲットが存在する事がわかれば、そこに住む人々に広告を出し、残りの地域には出さないようにできる。

③個別ターゲティング
住所、メールアドレス、ウェブブラウザのクッキーなどを通じて、特定の人物にどのようにリーチすれば良いかを把握する。「特定の個人に関する情報」は、次の3つの場所に存在する。

・内部データベース:店舗、ウェブサイト、コールセンター等のデータ
・外部データベース:雑誌購読、メールアドレスリスト、国勢調査等のデータ
・デジタルネットワーク:広告ネットワーク、SNSなど

④パネル
パネルとは、特定のマーケットセグメントについて、それを代表する人々のグループの事である。彼らに質問をする事で、ターゲットとしている人々をより深く理解する。

■いくら費やすべきか
多くの企業では、マーケティングにいくら投資するのか判断する際に科学的アプローチを採用していない。予算決定については、唯一のベストなアプローチは存在しないが、比較的優れた方法は存在する。

・投資/回収曲線
この曲線は、右肩上がりになる。つまり、お金を使えば使うほどブランド認知度は高くなる。一方で、この曲線は、限界収益が次第に小さくなる。つまり、ある時点で飽和が訪れ、いくらお金を使ってもブランド認知度は得られない状態がくる。過去のマーケティング関連の支出や、ブランド認知度に関するデータが入手できるのなら、計量経済学モデルで、曲線の傾きや形状を割り出す事ができる。

1.コンピューターにすべての点と線の間の距離を計算させる。
2.その距離の総計を求める
3.得られた値が、ある近似曲線がどの程度パターンと一致しているのかを示す
4.コンピューターに無数の線を引かせてやり、距離の総計が最小になるものを選ぶ

この方法で、正確にいくら費やせば、マーケティング投資に対する最大のリターンが得られるのかが把握でき、それ以上お金を無駄にしないで済む。

著者 ポール・ブラウン

ライター ニューヨーク・タイムズ誌に寄稿するほか、Customers for Life、Your Marketing Stucsなどの本を共著で執筆。

著者 ディミトリ・マークス

オグルヴィ・アンド・メイザー・グループのデジタルおよびダイレクト・マーケティング部門「オグルヴィ・ワン」のマネージング・ディレクター。 同社のデータ分析の第一人者。米フォレスター・リサーチ社が業界No.1と認めるグローバル・データ・プラクティス・チームのリーダーでもある。計量経済学と現場の経験をもとにした独自のデータ分析手法を開発し、グラクソ・スミスクライン、IBM、フィリップス、シーメンス、UPS、ユニリーバ、シスコシステムズなど、様々なグローバル企業に適用し、各社で実績をあげている。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
イントロダクション:数字はずっと魅力的だった p.1 5分
第1章 リトルデータでビジネスを成長させる p.21 25分
第2章 ターゲティング――誰にアプローチするか p.55 34分
第3章 メッセージ――何について話すか p.101 28分
第4章 ロケーション――どこで顧客を見つけるか p.139 32分
第5章 予算――いくら費やすべきか p.183 34分
第6章 測定――何が有効か、有効でないかをどう把握するか p.229 38分
第7章 最適化――有効なものをさらに活用し、無効なものを排除するには p.281 26分
第8章 アナリティクスの未来 p.317 26分

キーワード

統計学

統計に関する研究を行う学問。経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の…

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