超一流の人材を輩出する世界中の「才能開発」機関を研究してきた著者が、才能を磨くための52の秘訣を紹介した本。才能は生まれつきのものではなく、練習の繰り返しによって、得られるものだという最近の科学の知見に基づき、書かれている。
子供の教育のために、一読しておきたい1冊。
■才能は遺伝ではない
何世紀にもわたって、人々は才能が生まれつきのものだと直感的に思い込んできた。しかし最近の研究で、才能は「遺伝」よりむしろ「行動」によって決定されるという考え方が確立されようとしている。ここでいう行動とは、特に脳の成長を促す徹底的な練習とモチベーションの組み合わせの事だ。つまり、才能を開発したいなら、深い練習を通じて脳を鍛える必要がある。
才能を開発する最高の方法は、3つのカテゴリーにまとめられる。
①はじめる:モチベーションに火をつけ、スキルの青写真を描く
②スキルを伸ばす:最小の時間で最大の上達を遂げる
③上達を維持する:停滞を克服してモチベーションの火を燃やし続け、長期的な成功を収めるための習慣を確立する
■才能は練習によって鍛えるもの
才能についての新しい研究の大部分は、脳科学、特にミエリンと呼ばれる物質を中心に展開する。ミエリンは脳の神経回路を包み込む役割をする。それによって信号(神経パルス)の伝導速度を速め、漏電を防ぐ事ができるのだ。
ミエリンは刺激に対して反応する。電流を発生させる活動、即ち練習に反応して成長するのである。繰り返し練習するたびに、脳はミエリンの新しい層を特定の神経回路に追加する。従って、練習すればするほど、ミエリンが増えて信号の伝導速度が高速かつ正確になり、スキルを高める事ができる。
ミエリンは子供時代に大量に形成され、学習期に大きな役割を果たす。ミエリンの総量は50歳前後にピークに達するが、ミエリンの形成は高齢になっても継続する。だから、年齢に関係なく、新しい事を学び続ける事ができる。
著者 ダニエル・コイル
ジャーナリスト ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家 ライフスタイル情報誌「Outside」の上級編集者を経てフリーに。 ノースウェスタン大学特任研究員。 「ニューヨーク・タイムズ」紙や「スポーツ・イラストレイテッド」誌への寄稿多数。米テレビ「ABCワールド・ニュース・トゥナイト」やCNNなどの報道番組に出演。
帯 経営コンサルタント トム・ピーターズ |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.2 | 3分 | |
第1章 はじめる ーー 観察して、盗んで、バカになる | p.17 | 13分 | |
第2章 スキルを伸ばす ーー スイートスポットを見つけて背伸びをする | p.59 | 26分 | |
第3章 上達を維持する ーー 繰り返し、へこたれず、目標を秘密にする | p.139 | 9分 |
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