テレビに出演し、フォークを曲げる、相手の心を読むといったパフォーマンスで脚光を浴びたメンタリストDaiGo。メンタリズムという心理学などを応用したテクニックをいかにビジネスに生かすかが紹介されています。ちょっとしたコツを知っておけば、交渉事などを有利に進められそうです。
■メンタリズムとは
メンタリストとは「メンタリズムを行なう人」のこと。メンタリズムとは、行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導する技術である。メンタリズムとは特殊能力ではない。心理学やNLP(神経言語プログラミング)と密接な関係がある「科学」であり「技術」である。だから、簡単なコツさえ覚えれば誰にでも使えるようになる。
メンタリズムの基本は、次の4つにある。
①観察する(外見や言葉に現れたものから手掛かりを探る)
②分析する(手掛かりをもとに,心理を読み解く)
③信頼される(相手を理解し、信頼を勝ち取る)
④誘導する(暗示を入れ、人を動かす)
■メンタリズムの基本
①観察する
相手の表情(目線や口の動きなど)、体の動き(姿勢や仕草など)、言っていること(よく使う言葉や声のトーン)、相手の持っているものなどを観察する。観察は、見ている回数ではなく、意識して見ているかが重要で、得られる情報も変わってくる。
・興味があって面白いと思っている時、目線は上下に動き、口は軽く開きがちになる。逆につまらないと、目線は左右にふらふら動き、口は左右に固く閉じられる。
・相手のバッグの中身を見逃さない。本や携帯、ペンなど持ち物から多くの情報が得られる。ポイントは中身が見えてもすぐに言わないこと。
②分析する
観察した相手の表情や仕草、反応や会話の内容などから、「なぜつまらなそうな態度をとったのか」「それはどういうサインなのか」を深く分析することで、その先が生まれる。手応えがないと思ったら、具体的な質問をしてみるのも手。興味を示す答えが返ってきたら、その時の話題やワードを繰り返す事で、プレゼンの勝利を勝ち取る事も可能である。
③信頼させる
「信頼してもらうこと」「親近感を抱かせること」こそが相手を思い通りに動かすための大きなポイントとなる。そのための有効な手法は以下の通り。
・自分の事を先に打ち明ける
無意識の交換条件のように自分も話さなければと思い始める。結果、「こんなに話しているのは、私がこの人を信頼しているから」と思う。
・相手の行動を気付かれないようにマネる
人は、自分の動きをマネしたりする行為を、「自分への好意の表れである」と心理的に認識する。相手がお茶を飲んだら、ワンテンポ遅れて自分も飲む。相手が足を組んだら、自分も足を組む。注意点は相手に悟られないこと。
④誘導する
相手の誘導で最も重要なのは、「相手が無意識のうちに」行なうこと。相手があたかも「自分で選んだ」と思わせなければならない。代表的な方法が、話し方によって言葉を強調するマーキングという技術。
・会話をしながら特定の言葉の時だけ声の大きさを変える
・特定の言葉を多用する、表現を変えながら何度も繰り返す
著者 メンタリスト DaiGo
1986年生まれ。メンタリスト 人の心を読み、操る技術「メンタリズム」を駆使するパフォーマー。「すべての超常現象は科学で再現できる」を信条に、心理学にもとづく暗示や錯覚など、あらゆる学問をトリックに結びつけ、超常現象を再構成するステージは、スプーン曲げや読心術といった超能力を始め、催眠や暗示誘導、未来予知など再現される超常現象は多岐に渡る。 TV番組への出演多数、著書は累計55万部突破のベストセラーに。外資系企業の研修やコンサル、教育誌の連載なども手掛ける。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.12 | 3分 | |
第1章 あなたはもっと評価されるべき。今こそ仕事にメンタリズムを | p.21 | 21分 | |
第2章 手ごわい相手の「YES」を引き出す心理戦略 | p.61 | 30分 | |
第3章 あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略 | p.119 | 24分 | |
第4章 人間関係のストレスをなくす心理戦略 | p.165 | 25分 | |
第5章 ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略 | p.213 | 18分 | |
おわりに | p.249 | 3分 |
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