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2013/08/29更新

若者の取扱説明書 (PHP新書)

  • 齋藤 孝
  • 発刊:2013年6月
  • 総ページ数:198P

119分

3P

  • 古典的
  • トレンドの
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ゆとり世代をやる気にさせるコツ

真面目だが積極性に欠ける「ゆとり世代」の特徴を分析しながら、彼らを伸ばすコツを紹介する。「ゆとり世代」というレッテルを貼られ、自信がない彼らをやる気にさせる秘訣が書かれています。


■真面目で消極的な今どきの若者
今どきの若者は「驚くほど伸びる」。但し、放っておいても伸びない。付き合い方をガラリと変える必要がある。

そもそも「ゆとり世代」はさぼり世代ではない。むしろ、出された宿題は必ずやってくる。ただ問題は、過剰な情熱というものを持たない事だ。若者の側から「これは自分にやらせてほしい」などと食ってかかってくるような事がまずない。例えば大学の30人のクラスでも「誰か発表してくれ」という言い方をすると、手を挙げる者はまずゼロである。

彼らとしては「突出して恥をかきたくない」という心理がある。それに、周囲から「あいつ、何がんばっちゃってるの?」と積極性を冷やかされる事も避けたいらしい。あるいは、「人が通った道でなければ危なくて通れない」という慎重さも持ち合わせている。昔は「積極的」で「いい加減」な学生が多かったのに対し、今は「消極的」で「真面目」な者が多い。おかげで世間からはエネルギー不足と見られてしまう。

超短要約

■若者との異文化コミュニケーション術
・上からの圧力より、横からの刺激で動く
今の若い人は「公」より「私」の優先順位が圧倒的に高い。上下の1対1の約束は、意外に簡単に破られる。今は師弟関係よりも、友人同士の横のつながりの方が強い。友人が頑張っていれば自分も頑張るし、仲間の多くがクリアした事は自分もやらなければまずいと考える。だからこそ、「周囲のみんながやっているから、自分もやらなきゃ」という同調圧力を効果的に使う。

・競争原理が働く仕組みを用意する
指示を出すなら、能力や資質に頼らないようにする事が重要だ。やらなければゼロだが、やれば誰でもできる、という形で課題を提示する。この時に「質は問わない」こと。それを条件にすると「レベルが低いと恥をかく」と考えて、提出を見送るおそれがある。とりあえず指示通りの結果を出させ、全員の結果を持ち寄り、どれが優れているか議論させれば、次は質の高いものを出そうと頑張る。

・フランクでオープンな態度をとる
部下が嫌う上司のパターンとしては「自己顕示欲が強い」「部下の仕事を自分の成果にする」「ミスをなかなか認めない」などが挙げられる。ミスをしたら「自分のミスだ」と率直に謝ればいい。そういうフランクでオープンな態度の上司を、部下は信用する。

・傷つかないための予防線を壊す
若者の特徴の1つが、常に傷つかないための予防線を張ろうとする事だ。若者たちは自分の実力が晒される事を苦手とする。恥をかきたくないという思いが極めて強い。だからこそ「言われていないことはできない」「マニュアルに書いてもらわないと困る」という話になる。対策は、まず上司・先輩が部下の手本となること、そして部下に逐一指導する事だ。上司・先輩の予防線のなさを見せるのが最も手っ取り早い。

・腹を割って話す必要はない
今の若者は、上司との間に濃い人間関係を築きたいと思っていない。彼らは常に適度な距離感を保ちたいのである。たとえどれほど上司が飲み屋で熱く語ったとしても、若い部下にはさほど響かない。自分の時間を干渉された事になるからだ。

・部下を見守る姿勢をとる
上司に必要な要素として「部下をずっと見守る姿勢」が挙げられる。簡単に記録しておき、機会を見つけては、以前より変化した点について「あの時のこれは良かったよ」「ずいぶん成長したね」などと声をかける。

著者 齋藤 孝

1960年生まれ。明治大学文学部教授 教育スタイル論の提唱者として知られ『声に出して読みたい日本語』が260万部を超えるベストセラーとなり、同著で毎日出版文化賞特別賞受賞。 その後、専門の教育学、日本語教育学などの書籍からビジネス書、コミュニケーションを基礎とした関連書籍を多数執筆。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章 コツを掴めば、今の若者は驚くほど伸びる p.11 13分
第2章 若者たちは意外にがんばれる p.39 18分
第3章 日本の組織には、「褒めコメ」が足りない p.77 17分
第4章 若者との“異文化”コミュニケーション術 p.113 13分
第5章 タイプ別・「困った若者」の処方箋 p.141 16分
第6章 若者たち自身が考える、「若者のトリセツ」 p.175 10分
あとがき p.195 2分

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