今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2013/08/29更新

若者の取扱説明書 (PHP新書)

  • 齋藤 孝
  • 発刊:2013年6月
  • 総ページ数:198P

119分

3P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
アマゾン詳細ページへ

若者を伸ばすコツ

若者の「消極的」「真面目」という気質は長所にもなりうる。この気質を逆手にとることで、彼らはどんどん向上する。

「周囲のみんながやっているから、自分もやらなきゃ」という意識が生まれる事を「同調圧力」と呼ぶ。但し、圧力といっても「競争に勝て」「トップを目指せ」といった類では弱い。今の若者には、そういう意欲が乏しい。それより有効なのは、「取り残されてもいいのか」と「脅し」をかける事だ。

集団の中にいる彼らにとって最大の恐怖は、自分一人だけ浮いたり、さぼっていると見られる事だ。もともと叱られる事に慣れていないし、恥もかきたくない。それに「真面目が取り柄」と自覚しているところがあるため、それを自ら否定するような状況には陥りたくないのである。

そんな彼らの発想を逆手にとり、努力しなければやり過ごせない状態に追い込む。その際、重要なのが「自分にもできた」と自信を持てるような場をつくる事だ。彼らには「いいものに合わせていく」という性質があるため、まずは「その人のやる気の好循環というものを引き出す」サイクルに入る事が最も大事である。

今の若者は「ゆとり世代」と呼ばれ、ずっとネガティブな評価を下され続けてきた。従って根本的なところで自信を持てずにいる。そのため、彼らの「褒められたい願望」は極めて強い。たった一言の「褒めるコメント(褒めコメ)」でも、勇気百倍の栄養剤になり得る。

褒めて伸ばす

現在の若者たちは、決して個性的とは言えない。本人たちもそれは自覚していて、「周囲と同じでいい」「目立ちたくない」という気持ちが強い。にもかかわらず、一方では「自分を見てもらいたい」という意識も強烈に持っている。「自分は個性的でありたい」と願っている訳だ。この一見すると矛盾しているナイーブな感情を理解できるかが、若者を知るカギとなる。

彼らは自らに個性がないと自覚する一方で、「個性が大事だ」と言われるギャップに直面している。それを埋めるには、表現の機会を与え、ポジティブに褒める事が一番だ。「君だから頼むんだよ」と指示し、具体的にどこが良かったのかポイントを挙げる。彼らは、それで「見てくれているんだ」と安心し、自らの「個性」を認識できるのである。

「気を遣って褒めると、かえって調子に乗ってサボるのではないか」というのは杞憂だ。コンスタントに声をかけ、積極的に褒めていれば、逆に彼らは気を抜けなくなる。彼らは、自信を持てずにいる。それを持つには他人の評価が欠かせない。だから、自分を高く評価してくれる人に対して「いい人だ」というイメージを持ちやすく、「その人の信頼に応えるように頑張ろう」となる。