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2013/10/02更新

なぜ、間違えたのか?

180分

3P

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人が意思決定を間違う理由

誰もが陥ってしまう「思考の落とし穴」のパターンを52個のエピソードと共に紹介。様々な思考の落とし穴を知っておくと、より良い意思決定ができるとする。

『影響力の武器』や『予想どおりに不合理』などの行動経済学の名著に書かれているようなことが、わかりやすく理解できます。


■思考の落とし穴とは
「思考の落とし穴」とは、合理的に考えたり、論理的で理性的な行動をとろうとしたりする時に、一定の法則にしたがって陥る推論の誤りの事である。私達はよく、誤った判断を下してしまう。例えば、自分の知識を過小評価するよりも過大評価する事の方がはるかに多い。「思考の落とし穴」を自覚していれば、大きなダメージを受けるのを防げるようになり、手遅れにならない。

■生き残りのワナ
日常においては成功が失敗よりもはるかに目立つために、成功への見通しを甘く見て過大評価してしまう。私達の耳には成功談しか届かないので、ミュージシャンや作家として成功を収める事がどれほど難しい事であるかには気が付かない。同じ事は、カメラマン、企業家、芸術家、スポーツ選手といった人達にも当てはまる。メディアは挫折者の墓を掘り起こす事にはあまり関心がない。生き残りのワナを防ぐ方法は、挫折者が眠る「墓場」を訪れてみる事だ。

超短要約

■権威のワナ
権威のある人々には、問題が2つある。1つ目は権威があったからと言って、間違いを犯さない訳ではないこと。2つ目は、私達は権威を信じるあまり、自分自身で考えなくなってしまうという点だ。専門家ではない人の意見には慎重になるのに、専門家の意見は聞き入れる。権威を持つ人を批判的な目で見れば見るほど、他人の影響を受けなくなる。

■コントラストのワナ
あるものを見た時に、その横にそれより醜いもの、安いもの、小さいものといったように、比較するものがあると、比較するものがない時よりも、さらに美しく、高く、大きく感じてしまう。そのため純粋な価値を判断するのが難しくなる。

■イメージのワナ
私達は、自分が思いつく単純な実例を手がかりにイメージを作り上げている。想像しやすいという理由だけで、現実の世界では頻繁に起こらない事を思い浮かべ、それが現実であると信じている。例えば、航空機の墜落事故などセンセーショナルな危険については、いつも過剰に敏感になり、必要以上に危険を感じる。私達の脳は、目立つ事については、記憶の引き出しからさっと取り出す事ができる。量ではなく、印象に反応するからだ。このワナにハマらない防止策は、自分とは考えが違う人と協力し合う事だ。

■「いったん悪化してからよくなる」のワナ
確信が持てない人には、このワナを利用するのが無難である。悪化すれば、予測の正しさが証明される。反対に予測に反してすぐに改善されれば、顧客は喜び、それも自分の手柄になる。このやり口で大成功を収めているのが宗教だ。地上の天国が実現される前には世界は崩壊するだろう。そう予言された信者たちは、状況が悪化すれば予言が的中したと考え、状況が改善すれば神の恵みであると思い込む。「いったん悪化してからよくなる」と言われたら、警戒した方がいい。

■ストーリーのワナ
「ストーリーのワナ」とは、物語をわかりやすくするために真実を単純化してしまう傾向を指す。それにより、物語にうまく収まらない事はすべて排除されてしまう。その結果、私達の判断力や決断力を鈍らせてしまう。対策としては、物語をばらばらに解体してみる事だ。物語に隠されているものは何か、自分に問いかけてみよう。

■回想のワナ
私達は物事が起きてしまってから、後になって、それは予測可能だったと考えてしまう。現在では、金融危機が起こったのは必然であり、逃れようがなかったかのように思われている。「回想のワナ」は、自分はうまく予測できるはずだと自己過信させる。日記や新聞の切り抜きといった、その時々の記録を読めば、自分は世の中の事を全く予測できないという感覚をつかむ事ができる。

著者 ロルフ・ドベリ

1966年生まれ。作家 スイス航空子会社数社にて最高財務責任者、最高経営責任者を歴任の後、ビジネス書籍の要約を提供するオンライン・ライブラリー「getAbstract」を友人とともに設立。 香港、オーストラリア、イギリスおよび、長期にわたりアメリカに滞在。科学、芸術、経済界の指導的立場にある人々のためのコミュニティー「ZURICH.MINDS」を創設、理事を務める。 2012年、論理的思考トレーニングコース、インターネット・アカデミー「CCADEMY」を開設。 35歳から執筆活動を始め、これまでに6冊の小説を発表。ドイツの日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング、週刊紙ディ・ツァイト、スイスの週刊紙ゾンタークスツァイトゥングにて「思考の落とし穴」に関するコラムを連載。その他、アメリカのワシントン・ポスト紙をはじめ、エコノミスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙など、世界の有力新聞、雑誌に寄稿。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 2分
思考の落とし穴1〜52 p.15 120分
おわりに p.279 5分

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