投資会社を創業し、ウォーターダイレクト、ケンコーコムという2社のIPOに関わってきた著者が、創業から上場までに気をつけるべきポイントを解説。ベンチャー企業がどのように創業から上場に至るのか流れがつかめます。
■いい人を起業パートナーに選ぶ
「起業しよう!」と思い立った時にまず考えるのが「何をやるか」。この時、同時に考えるべき事が「誰とやるか」である。仲間との共同創業はリスクを減らしてチャンスを広げる事ができる。起業のパートナーは「いい人」かどうかが大事である。いい人とは、「起業家自身の人生や仕事に対する価値観と近い人物である」事と、「人格的に信頼できる人物である」事の2つを意味する。能力が高くても人格に難があれば、よからぬ事に能力を働かせてしまう事もある。
■共同創業では責任の所在を明らかにする
創業時の最適な人数は3〜4人。共同創業では「社長」「副社長」といった役職で立場の違いを明確にし、株はできるだけ起業家自身が多く保有した方が成功の確率が高まる。株の保有比率にも差をつけておく事で無用なもめ事を減らせる。絶対に避けるべきは、メンバー全員を十分に説得できないままに、意思決定の責任の所在が曖昧な状態で事業を始める事である。
■起業のポイント
①価値観が一致する人たちと心を合わせる
②コストを下げて意思決定を早くするため人数は少数精鋭で
③株式保有比率は社長の持ち株を明確に高く設定する
④コスト意識を社内全体に染み込ませて、社外にもアピールする
⑤変化を楽しみ、ピンチに人に甘える
⑥過去のすべての人脈を総動員して最初の顧客群を確保する
⑦メンターに失敗の芽をつんでもらう
⑧メンバーとの話し合いでビジョンを固める
⑨「何をどう売るか」をブラッシュアップし、自分自身に覚えさせる
⑩資金は起業するまでに貯め、不足分は訴えられにくい起業メンバー、親族等に頼む
⑪社会的信用の高い人たちの名前を借り、信用を得る
⑫バカにされてもニコやかに辛抱する
⑬資金調達で足蹴にされた時、何が足りなかったか、自己分析し、次につなげる
⑭プレゼンではもう一度会ってもらえる清潔感を身につける
⑮支払いは1日でも遅く、入金は1日でも早く管理する
⑯銀行担当者には上司が説得しやすい材料を提供する
⑰3年以内に黒字化させる
著者 藤野 英人
1966年生まれ。レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長・最高投資責任者 大学卒業後、野村證券、JPモルガン、ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、2003年レオス・キャピタルワークスを創業。 主に日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資教育にも注力しており、明治大学商学部兼任講師、JPXアカデミーフェローを長年務める。 一般社団法人投資信託協会理事。
帯 元参議院議員 田村 耕太郎 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 3分 | |
第1章 スタートアップ~信頼できる仲間とともに起業のタネを蒔く | p.13 | 36分 | |
第2章 アーリーステージ~会社の方向性を定めビジネスを拡大させる | p.95 | 23分 | |
第3章 ミドルステージ~企業としての形を整え、ピンチを乗り切る | p.147 | 15分 | |
第4章 レイトステージ~出口戦略を固め、新たな「入口」へ突き進む | p.181 | 19分 | |
おわりに | p.226 | 2分 |
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