逮捕され、すべてを失った元ライブドア代表の堀江貴文氏が、自分の生い立ちや、刑務所で考えたこと、そして「働くとはどういうことか」について語った自伝的1冊。
人生を主体的に生きるためには何が必要かが書かれています。
■それでも僕は働きたい
2000年代の前半、僕は時代の寵児と呼ばれていた。学生時代に起業したIT企業が、27歳を迎えた2007年に東証マザーズ上場。そして2004年には当時の近鉄バッファローズ買収に名乗りを上げ、メディアに大きく採り上げられる事となる。続く2005年にはニッポン放送の筆頭株主となり、日本中を巻き込むほどの大騒動となった。起業家ブームの象徴として、「あこがれる経営者」ランキングで日産のカルロス・ゴーン氏に次いで2位に選ばれたりもしていた。
ところが、翌2006年の1月。僕は東京地検特捜部から強制捜査を受け、証券取引法違反の容疑で逮捕される事となる。ライブドアの前身である有限会社オン・ザ・エッヂを設立してから、ちょうど10年後の事だった。
命懸けで育ててきた会社を失い、かけがえのない社員を失い、社会的信用も、資産のほとんども失った。収監されてから仮釈放されるまでの1年9ヶ月、僕の心を捕えて放さなかった言葉、それは次の一言に尽きる。「働きたい」、そうとにかく働きたかったのだ。
■ノリのよさが大切である
あらゆる人の一生とは、小さな選択の積み重ねによって決まってくるのだと思っている。これはチャンスの問題だ。チャンスだけは誰にでも平等に流れてくる。目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつく事ができるのか、そこが問題なのである。
この「チャンスに飛びつく力」の事を、向上心とか目的意識とか、そんな堅苦しい言葉で語りたくない。もっとシンプルな、人としての「ノリのよさ」だと思っている。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、そしてリスクを承知で飛び込んでいける小さな勇気。それらの総称が「ノリのよさ」だ。
チャンスの見極め方がわからない? その発想が既に「ノリの悪さ」を表わしている。チャンスを見極める目なんて、必要ないのだ。少しでも面白いと思ったら、躊躇せず飛び込む。そうしないと、チャンスは流れるように過ぎ去ってしまう。小さな成功体験の前には、小さなチャレンジがある。そして小さなチャレンジとは、「ノリのよさ」から生まれる。
■成功するためには、挑戦と努力しかない
人が前に進もうとする時、大きく3つのステップを踏む事になる。
①挑戦:リスクを選び、最初の一歩を踏み出す勇気
②努力:ゼロからイチへの地道な足し算
③成功:足し算の完了
このステップを着実に踏む事で、小さな成功体験が得られる。そして小さな成功体験を積み重ねていった先に、成長がある。挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力しかない。その作業に没頭し、ハマっていくしかないのである。
地道な足し算の積み重ねなんて、ホリエモンには似合わないだろう。けれど、これが真っさらな「堀江貴文」の姿なのだ。成功したければ挑戦すること。挑戦して、全力で走り抜けること。その全力疾走の事を、人は努力と呼ぶ。
著者 堀江 貴文
1972年生まれ。SNS media&consulting 創業者 元 ライブドア代表取締役CEO 東京大学在学中の1996年、23歳のときに、インターネット関連会社の有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から2005年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で、一気に時代の寵児となる。 しかし2006年、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され、懲役2年6カ月の実刑判決を下される。2011年に収監され、長野刑務所にて服役。介護衛生係としての仕事に励みつつ、メールマガジンなどで情報発信も続け、獄中で40歳の誕生日を迎える。 2013年に刑期を終了し、ふたたび自由の身となって、「ゼロ」からの新たなスタートを切る。 現在は、自身が手掛けるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「TERIYAKI」「焼肉部」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活躍。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者。 2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文サロン」(現・堀江貴文イノベーション大学校)をスタート。
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第0章 それでも僕は働きたい | p.17 | 10分 | |
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い | p.35 | 26分 | |
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択 | p.81 | 19分 | |
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ | p.115 | 25分 | |
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ | p.159 | 19分 | |
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない | p.193 | 22分 | |
おわりに | p.232 | 2分 |