よいチームとは何か
新しい事を始めようとしている人、そして若い人達に必要なのが「チーム」をつくる事である。新しい価値観も、新しいパラダイムも、1人だけの力では世の中に広めていく事は難しい。自分とビジョンを共有し、その実現に向けて行動する仲間を見つけ出して、初めてスタートラインに立つ事ができる。
チームには「ありがちなチーム」と「よいチーム」が存在する。研究者からマッキンゼーへと転職してから現在に至るまで、チームづくりにおいて役立っているコンセプトがある。それこそが「チームアプローチによる問題解決」だ。
「よいチーム」には大抵の場合、以下の5つの大きな共通点がある。
①少人数である
②メンバーが互いに補完的なスキルを有する
③共通の目的とその達成に責任を持つ
④問題解決のためのアプローチの方法を共有している
⑤メンバーの相互責任がある
この5つの共通する特徴を、チームづくりに活かすというのがチームアプローチの基本的な考え方である。このアプローチで構築される「よいチーム」とは、どんなチームか。
・目標は非定型的(前例がない)であり、達成するためには困難を極める
・メンバーは「その人物の必要性が実証された人」だけを選別する
・メンバーは、多様性があればあるほど良い
どこで仲間を見つけるか
チームづくりにおいて、「本当の仲間」をいくら懸命に探し求めたところで、100%満足できる存在が見つかる事はない。「今目の前にある仕事」「やらなければならない宿題をやること」を通じて、その試練を仲間と共に乗り越える事が、結果的に自分自身や仲間を見出す事につながる。
それでは、どのような場で「仲間」を探していけば良いのか。パーティで名刺を配ったり、フェイスブックでお手軽につながるのに意味はない。その答えは、これまでの人生の軌跡にある。世界的に大成功している人々の、その成功の大きなきっかけとなった仲間との出会いは、10代から20代前半という若いタイミングにある。学生時代の最大の良さは、フラットな関係を構築できるところにある。
さらに「つながりの場」として有力なのは職場だ。業界の中で良い仕事をしている人々との関係を構築し、彼らに学んでいけば、いずれは強いネットワークが自分の周りにできていくはずだ。
自分にとってより価値の高い「つながりの場」を見つけるために覚えておくと役に立つのが「弱いつながり」という概念だ。自分と同じタイプの人は、自分と似たような情報、思考様式、人脈しか持っていないので、付加価値をもたらす可能性が低い。しかし、自分と全然違う領域に住む人は、これまで自分が知り得なかった知識やネットワークなどを持っている。