『ガリガリ君』などのヒット商品を連発し、業績を伸ばしている赤城乳業の競争力の源は、社員が何でも言える経営にある。赤城乳業では、なぜ若手社員がイキイキ働いているのか。その仕組みづくりを紹介した1冊です。
■強小カンパニーを目指して
赤城乳業の2012年売上は353億円。成熟化した市場で、6年連続増収を達成した。看板商品である「ガリガリ君」はここ数年驚くほどの勢いで売上を伸ばし、2012年の売上本数は4億3000万本。幅広い層に支持される国民的アイスキャンディになった。
しかし、赤城乳業は決して大企業ではない。小さくても強い。「弱小」ではなく、「強小」を目指す。これが赤城乳業の目指す会社像だ。コーポレートスローガンは、「あそびましょ。」。赤城乳業の秀でた競争力の本質は、その「体質」の良さである。「あそび心」を大切にし、社員1人ひとりが「まじめにあそぶ」事こそが、「良き体質」の表れである。
「強小カンパニー」を実現するためのもう1つのキーワードが「言える化」である。読んで字の如く、社員が何でも自由闊達に「言える」ような会社になるという事である。
赤城乳業という会社の特徴は、年齢や肩書きに関係なく、社員が自由闊達にものが「言える」事である。風通しがよく、オープンでフランク、フラットな関係を大切にしている。それを井上社長は「言える化」と呼んでいる。
「言える化」の実践は容易い事ではない。何もしなければ、組織は「言えない化」に陥るのが普通である。赤城乳業で「言える化」が機能し、社員たちが躍動しているのは、次の2つの工夫が行われているからである。
①「言える化」を実践する「場」の設営
②「言える化」を加速する「仕組み」の構築
著者 遠藤 功
1956年生まれ。早稲田大学大学院商学研究科(ビジネススクール)教授 株式会社ローランド・ベルガー日本法人会長 大学での教職、経営コンサルティング活動に加え、講演、研修、執筆など多方面で活躍している。
TOPPOINT |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
THE 21 (ザ ニジュウイチ) 2014年 05月号 [雑誌] 慶応大学大学院教授 岸 博幸 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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プロローグ こんなに面白い会社がまだ日本にはあったんだ! | p.13 | 7分 | |
第1章 躍動する若者たち | p.27 | 16分 | |
第2章 「強小カンパニー」への道程 | p.59 | 14分 | |
第3章 ドリームファクトリーの建設 | p.87 | 12分 | |
第4章 「ガリガリ君」大ブレーク! | p.111 | 13分 | |
第5章 「言える化」こそ競争力 | p.137 | 21分 | |
第6章 自分のために働け | p.177 | 9分 | |
第7章 躍動する若者たち、再び | p.195 | 8分 | |
エピローグ 「アイス」の会社は「愛ス」の会社 | p.211 | 5分 |