ウェブ的な考え型が、今後はリアル社会でも浸透していく。これからのウェブ社会と、それに影響を受けている現実世界の進んでいる方向を示しています。
■人間中心主義の時代へ
現実世界はウェブの中で起きている「潮流」を常に後追いしている。元々インターネット空間はリアル社会の複製から始まったが、これからはリアル社会がウェブの中で培われた思考様式や心理状態を模倣していくだろう。
これまでインターネットが接続していたのは、それぞれの端末同士だった。しかし、多くのソーシャルメディアは、人と人をつなぎ、新しいコミュニティを作り上げていった。それが商取引から政治活動、趣味、学習、旅行といったライフスタイル全般に及んだ。ここで初めてコンピュータとネットワークは、その序列を人間に譲るという段階に突入した。今後、あらゆる情報通信機器や端末は超高性能のまま小型化し、ネットワークと協調する。そして、人々は次第にその存在すら感じなくなる。つまり、ヒューマン・ファースト(人間中心主義)の時代が訪れたのだ。
人間はネットワークを軸に、他の人間や集団に呼びかけ、行動を起こす。そして、あらゆる局面で「人間力」が活用される。
ウェブの中で起きている変化を注視していれば、それがリアル社会へコピーされていくまでの時差を見つける事もできる。既にウェブで始まっている新しい動きや流れを組み合わせて、来るべき未来を想像する事は可能だ。
著者 小林 弘人
1965年生まれ。インフォバーン共同創業者・代表取締役CVO 『ワイアード』『サイゾー』『ギズモード・ジャパン』など、紙とウェブの両分野で多くの媒体を創刊。1998年にデジタルエージェンシー企業・インフォバーンを創業。 2016年よりベルリンのテクノロジー・カンファレンス「TOA(Tech Open Air)」の日本公式パートナー。2017年、Israeli Blockchain Associationのアドバイザー、2018年より広島県のAI/IoT実証プラットフォーム事業「ひろしまサンドボックス」審査員、2019年長野県の信州ITバレー構想のアンバサダーに就任。2018年、企業と自治体のインキュベーションを支援するUnchainedを創設。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊 東洋経済 2014年 4/12号 [雑誌] |
帯 ビジネス・ブレークスルー大学学長 大前 研一 |
帯2 MITメディアラボ所長 伊藤 穰一 |
THE 21 (ザ ニジュウイチ) 2014年 06月号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 4分 | |
第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった | p.17 | 22分 | |
第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義 | p.57 | 27分 | |
第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか | p.105 | 23分 | |
第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来 | p.147 | 21分 | |
第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」 | p.185 | 15分 | |
おわりに | p.213 | 2分 |
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) [Amazonへ] |
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた) [Amazonへ] |
オープンビジネスモデル 知財競争時代のイノベーション (Harvard Business School Press) [Amazonへ] |
シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略 [Amazonへ] |
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 [Amazonへ] |
パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ [Amazonへ] |
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書 [Amazonへ] |
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 [Amazonへ] |