組織で権力を握るには何が必要か。
組織の権力構造を解説し、権力基盤をつくるためのセオリーを紹介している本です。
■独裁力の2つのステップ
組織人としては、いくら意思決定しても権力がなければ組織を動かす事ができない。何かを組織を通じて成し遂げたい、という強烈な思いのある人こそ、独裁力を身につける必要がある。独裁力を発揮するためには2つのステップがある。
①権力基盤を構築する
権力基盤を構築するためには、自分の支持グループを3つのグループに分ける考え方が役に立つ。
1.コア支持層
2.コア予備軍
3.一般メンバー
自分の権力を支えるコア支持層とは誰と誰なのかを特定し、その人達を完全にモニターしコントロールする事ができれば、権力基盤を安定させる事は可能である。
②動員力を高める
権力基盤がいくら安定していても、組織の戦力をフル動員する事ができなければ、組織は勝つ事ができない。3つのグループにそれぞれ広範な支持層を持つ必要がある。これを、広範な支持連合(グランド・コアリション)という。
自分の権力を確かなものにするためには、確固とした支持基盤を構築し、自分の命令を組織の末端まで聞かせる事が大事である。
権力基盤をつくるには、次のセオリーがある。
①コア支持層の数をできるだけ小さくする → 監視を行き届かせる
②コア支持層を常に不安定な状態に置く → 反対勢力をつくらせない
③コア予備軍を増やし、代わりはいくらでもいるという状況をつくり出す
④自分のコア支持層にはきちんと報いる → 忠誠心をつなぎ止める
⑤大きな「支持連合」をつくれ → 組織外に対抗するため組織の力を高める
著者 木谷哲夫
1960年生まれ。京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス(IMS)寄附研究部門教授 マッキンゼー・アンド・カンパニーに10年間在籍。アナリストとして入社しアソシエート・プリンシパルとして卒業するまで、グローバルなチームで、金融機関、自動車・機械・ハイテク・通信業界における数多くの新規事業戦略立案、業務改善プロジェクトを手がける。 日本興業銀行で企業金融業務、アリックス・ パートナーズで企業再建業務に従事。2007年より現職、起業家教育を担当。
TOPPOINT |
帯 前グーグル日本法人名誉会長 村上 憲郎 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊 ダイヤモンド 2014年 6/7号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 独裁力とは何か? | p.1 | 10分 | |
第一章 内なる敵を知る 独裁力を阻むイデオロギー | p.27 | 26分 | |
第二章 権力基盤を構築する | p.69 | 35分 | |
第三章 動員力を高める | p.127 | 34分 | |
第四章 権力ゲームで失敗しないための裏ワザ | p.183 | 23分 | |
第五章 日本企業の生き残り策 | p.221 | 30分 | |
おわりに | p.270 | 2分 |
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