元CIAの諜報員が、人脈構築術や話しを聞き出す方法など、CIA直伝の仕事に使えるテクニックを紹介している本。
■協力者を得るための手順
諜報員の仕事の中でも特に大切なのは、協力者を得る事である。敵側の関係者の中に、自分の代わりに諜報活動をしれくれる人間がどうしても必要になる。協力者は時に誓約や義務、法律までも破らなくてはならない。友人、同僚、家族でさえ裏切る事にもなる。諜報員は誰かを説得して、そんな事をさせなくてはならない。
一般にCIA諜報員が新たな協力者を得る仕事は、「狙いをつける」「評価する」「人間関係を築く」「勧誘する」「実際に動いてもらう」という5段階に分けられる。5段階すべてが数日で終わる事もあれば、数年かかる事もある。
協力者を得るまでの実際の手順は非常に複雑だ。活動する国の言語や文化によっても違ってくる。これという人物がいてもうまく接触できない事もあるし、自分の身を危険にさらす事もある。しかし、どんな場合にも4つの共通する基本要素がある。
①協力者の候補を決める
②候補者と接触する
③協力者として適切かどうかを見極める
④候補者と親しくなり、信頼関係を築く
■CIA諜報員の7つの人脈構築術
CIAの諜報員は、目をつけた人とまずともかく信頼関係を築こうとする。時間をかければ信頼関係を築きやすい。しかし、現実問題として、相手との信頼関係を築きたくても十分に時間をかけられない事は多い。CIA諜報員は、そういう場合にも次のテクニックを駆使して、できるだけ要請を受けてもらえる確率を高めようとする。
①相手の趣味や嗜好、生い立ちや経歴、弱みについて知る
②最初の会合で目指すのは「二度目の会合」を実現すること(次に会う機会をつくる)
③事前に話の練習はしない(繰り返し練習した話しには感情がこもらなくなる)
④神経質なくらい相手の反応に注意し、必要なら話を軌道修正する
⑤面接やプレゼンを録画して見る事で、自分に相手を不快にさせる部分がないか知る
⑥「網」を広げて他人の弱みを知り、そこを意図的、計画的に突く
⑦安心せず、たえず良好な関係を維持するための努力をする(顧客の存在を当たり前だと安心しない)
著者 J.C.カールソン
元CIA諜報員 大学卒業後、スターバックス、バクスターインターナショナル、テクトロニクスなどの名門企業を渡り歩いたあと、CIAに入局。諜報員として10年近く勤務したのち、退職し、作家に転身。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊ダイヤモンド2014年7/12号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.15 | 4分 | |
第1章 CIA諜報員のテクニックはビジネスに活かせる | p.35 | 14分 | |
第2章 CIA諜報員が身につけている基本テクニック | p.55 | 31分 | |
第3章 内外の敵から情報を守る技術 | p.101 | 34分 | |
第4章 CIAが実践している採用・人事戦略 | p.151 | 26分 | |
第5章 CIA諜報員が不要なウソをつかない理由 | p.189 | 19分 | |
第6章 CIAが実践している危機管理術 | p.217 | 26分 | |
第7章 CIA諜報員が実践している説得術 | p.255 | 20分 | |
第8章 業者に不祥事を起こさせないために | p.285 | 19分 | |
第9章 敵と関わる技術、敵を味方にする技術 | p.313 | 12分 | |
おわりに | p.331 | 2分 |