MITで教鞭をとる交渉術の第一人者が、「ウィン・ウィン」のアプローチをとりながら、自分にとってより有利に交渉を進める方法を紹介している一冊。
■信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6つの原則
①交渉の土俵に相手を導く
②付加価値を創造する
③予想外の結果を期待する
④交渉相手の勝利宣言を書く
⑤自分の立場を守る
⑥リーダーシップを発揮する
これらの原則に沿って交渉するための手段として次の戦略がある。
■相手にとって悪くなく、自分にとって願ってもないほどの交渉結果を引き出す6つの戦略
①交渉相手の要求内容や優先順位を変えさせる
②相手にとって悪くなく、自分にとって願ってもないほどの提案をする
③相手よりも多くを手に入れるために、条件付きの提案をする
④交渉相手に手を貸して、こちらにとって最も望ましい条件を身内に対して説得してもらう
⑤予測できた危機への備えをする
⑥ウィン・ウィンを目指した交渉を簡単に制する事ができるよう、組織の交渉力を高める
取引の余地は、合意成立の可能性がゼロでない限り、ほぼ確実に見つけ出す事ができる。そのためには、身内に説明できるように交渉条件を決めて、「相手がどれだけ手強くても自分の側に有利にことを進めよう」と意思を固める必要がある。会心の成果を勝ち取るには、気持ちを整え、交渉の余地を探り、創造した価値のかなりの部分を自分の取り分として要求する心構えをしておかなくてはならない。
交渉を制するには、3つのツボを確実に押さえなくてはならない。
①身内を満足させる
②「公正な扱いを受けた」と、自他ともに納得できる結果を導く
③可能な限り大きな付加価値を生み出して、相手にとって悪くなく、自分にとって「大成功」といえる条件で交渉を成立させる
著者 ローレンス・サスキンド
ハーバード・ロースクール交渉学講座(PON) 共同創設者 MIT-ハーバード 公共問題プログラム・ディレクター 世界中の複雑な対立・紛争の交渉を仲裁し支援する非営利活動を行うとともに、ハーバード・ロースクールの経営幹部向け教育にも携わる。約40年にわたりMITで教鞭をとり、公共政策にかかわる対立から企業間の対立まで、多数の交渉の仲裁・調停にあたってきた。実践経験の豊富な交渉学の第一人者として、世界の20以上の大学に招かれ講義し、16冊の著書は複数の言語に翻訳されている。
帯 ハーバード大学交渉学プログラム共同設立者 ウィリアム・ユーリー |
帯2 ハーバード大学教授 ロバート・H・モヌーキン |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
プロローグ 湖畔の別荘地で「交渉の余地」を探る | p.1 | 10分 | |
第1章 「交渉の土俵」に相手を引き込むには? | p.17 | 26分 | |
第2章 もっとパイを大きくすればいい | p.57 | 34分 | |
第3章「想定外」を想定せよ | p.111 | 24分 | |
第4章 交渉相手の勝利宣言を思い描け | p.149 | 18分 | |
第5章 交渉にファシリテーションを活用せよ | p.177 | 14分 | |
第6章 組織の交渉力を高める | p.199 | 36分 | |
エピローグ | p.256 | 10分 |
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