消費者のモノだけに対する満足度はどんどん低下している。この原因には、以下の3つが挙げられる。

①情報技術のあり方
マス広告からネットワーク時代になり、氾濫するデータから何を選ぶかが重要となってきた。

②コモディティ化
ある商品、サービスにおいて、品質、機能、形状などでの目に見える形の優位性が保てなくなり、消費者からも差別化ができなくなった。

③消費ビジネスの崩壊
大量生産・大量消費といった資本主義の終焉。

このような世の中で、消費者の心をつかみ、ビジネスを継続可能な形で進めるためには、商品、サービス、モノなどの明示的な価値ではなく、背景や行間などの暗黙的な価値、つまり「コンテクストクリエーション」が重要となってくる。コンテクストクリエーションとは、ライフスタイルそのものの提案である。商品、サービス自体ではなく、コンテクスト、つまり使用している時の背景や状況、立場を作る事により、消費者の満足度を上げる事をいう。コンテクストクリエーションするためには、消費者の求めているライフスタイルを知り、そこでコンテントが価値を見出すシーンはないかを考える必要がある。

コンテクストクリエーションを行うためには、消費者と企業間がお互いを知り、信頼し、サービスを提供、享受する事が重要である。そのための手法が「メタ化」である。絶対必要な機能を果たすためのインターフェースのみを現実に残し、実際の内部処理や使用状況をインターネット上に保持するような商品、サービス形態に変化していく事を「メタ化」と呼ぶ。この「メタ化」によって、消費ビジネスの脱却という変革が始まっている。「メタ化」のメリットは次の4つ。

①あらゆる人に利用してもらえる
②余剰資源を最適利用できる
③共有で利用できる
④信頼を担保できる

現実のインターフェースをトリガーとする事により、インターネット上で消費者と企業とがデータを介して共有する事が可能となる点になる。

メタ化によるコンテクストクリエーション実現のためのインターフェースに必要な3要素は次の通り。

①多様性：インターフェース自体の多様性
②感知：消費者や状況のデータ収集、分析によるコンテクストの感知
③体験：コンテクストの共有による体験の提供

この3つを満たすインターフェースによってデータを介して、ニーズから商品、サービスを提供するというサイクルができ上がる事がポイントである。この時に初めて、データ分析というフェーズが登場する。データ分析というのは、商品、サービスを含む現実世界の最適化だ。データ分析は、インターフェースがある限り、永遠に続けなければならない。