企業の競争力の源泉は、社員の一致団結にある。部下が仕事に打ち込むためには、部下が上から守られているという安心感を築くことが大切であると説く。
■社内の信頼と協力が大切
大いなる成功をおさめた組織、メンバーの忠誠心が高く、不満が少ない組織、どんな困難も切り抜ける能力のある組織には、共通する1つのパターンがある。こうした非凡な組織には、上からリーダーの支援を受けつつ、下位のメンバーは互いを見守るという文化がある。だからこそ、彼らは懸命に努力し、危険を冒す。そして、組織がこれを達成するには、共感が欠かせない。
「真に人間らしいリーダーシップ」は、企業文化を粉砕しかねない社内抗争から組織を守る。同僚から自分の身を守らねばならない環境にあると、組織全体が苦しむ事になる。だが社内で信頼と協力の輪が広がっていけば、一致団結する事ができるし、その結果、組織全体もまた強く成長する。
私達は組織の中にいて、安心できる事がわかれば、緊張を解き、もっと仲間を信用し、もっと仲間に協力しようという意欲を持つ。その結果、組織はライバルに大差をつける事ができる。
成功したい、組織に利益をもたらしたいと思うのは、別に上から認められたいからではない。このような意欲は、自己犠牲と奉仕の文化に欠かせないものであり、そうした文化は組織のあらゆるレベルの人間が守られていると感じている事から生まれる。
著者 サイモン・シネック
1973年生まれ。組織コンサルタント ランド・コーポレーション非常勤研究員 リーダーや企業、非営利組織に対して「人々をインスパイアする方法」を伝授してきたコンサルタント。これまでアメリカ連邦議会議員、外交官、国連、国防総省、マイクロソフト、アメリカン・エキスプレスなどでWHYの力を伝授してきた。 コロンビア大学で戦略的コミュニケーションプログラムの講師を務めるほか、ランド・コーポレーションの非常勤研究員も務める。
日本経済新聞 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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第1部 人間は安全を求める生き物である | p.11 | 31分 | |
第2部 なにが人を突き動かすのか | p.53 | 41分 | |
第3部 現実の世界 | p.109 | 9分 | |
第4部 私たちが選んできた道 | p.121 | 16分 | |
第5部 抽象化という落とし穴 | p.143 | 31分 | |
第6部 リーダーのための5つのレッスン | p.185 | 54分 | |
第7部 依存症の社会 | p.259 | 22分 | |
第8部 リーダーになるために | p.289 | 15分 |
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