目先のタスクに追われていては、人生の目標は達成できない。いかに、人生に大きな影響を与える結果を生み出すタスクにフォーカスすれば良いのかを紹介している一冊です。
■自分を動かす2つの衝動
人が日々様々な行動を取る理由は決まっている。心理学の研究の多くは、人間のモチベーションの源は「獲得(ゲイン)」(利得を得たい)と「苦痛(ペイン)の回避」(損失を回避した)の2つに分けられるという意見で一致している。この事は、健康、お金、食事、仕事、家族や趣味のための行動など生活のほぼすべてに当てはめる事ができる。
この2つの最も重要な違いは、それから生み出される結果である。ゲインのモチベーションに駆られて行動すると、ペインを避けたいというモチベーションに駆られた時よりも、自分のプライベートや仕事のためになる成果が生まれる。
ゲインがモチベーションとなって行動を起こしている時、意識は自分が「望んでいること」に向き、自分が進む方向を与えてくれる。すると、ペインを避ける時とは比べものにならないほど、人生に大きな意味を持つ結果が生まれる。
生きていくために必要な事しかしない毎日を送っていると、ペインを避ける事しかできない。自分の人生やキャリアを現状から前に進め、より良い状態にするためには、する必要のない何かをする必要がある。つまり、ゲインを追求しなくてはいけない。
今の生活を維持し守る事にすべてを注いでいては、いずれ必ず燃え尽きる。だが、自分にとって意味のある成果を生み出すための何かや、自分の人生を良くするための何かを日々行うようにすれば、その努力に意義や価値が生まれる。私達は絶えず、目標の実現や自分自身の向上と、現状の維持とのバランスを取ろうとしている。「する必要のないこと」と「する必要のあること」との間で闘っている。
自分にとってプラスになる事や目標を見い出し、日々その実現に向かって行動すれば、燃え尽きたような気持ちになる事は防げる。本当に必要なのは、今日を生き延びる事と、より良い明日に向けて進歩する事とのバランスだ。より良い人生とバランスの取れた人生を求めて歩み始める鍵は、ゲインの機会を見いだす事にある。
著者 スティーブ・マクラッチー
ALLEERトレーニングアンドコンサルティング CEO グーグル、マイクロソフト、ディズニー、ファイザー、アクセンチュアなど世界的企業を多数クライアントに持つ。 ALLEERはラテン語の「ALERE」に由来し、「人を開発する」という意味である。企業のほか、ハーバード・ビジネス・スクールやウォートン・スクールをはじめ大学、大学院でも指導を行うなど活躍の分野は幅広く、「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙 「ファスト・カンパニー」誌等でも話題に。
帯5 ハーバード大学教育学大学院キャリア局ディレクター ヴァレリー・サットン |
帯 アクセンチュア マネージング・ディレクター クリスティーナ・ハーパー・エルガレスタ |
帯2 マーシャル・ゴールドスミス・パートナーズ創業者 マーシャル・ゴールドスミス |
帯3 フリンヒースホルト パートナー メアリ・デーヴィス・ホルト |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
帯4 ロサンゼルスキングス経営責任者 ラック・ロビタイル |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに ベストの決断ができる思考法 | p.5 | 3分 | |
第0章 8つの質問 | p.23 | 3分 | |
第1章 「ほしい」のか 「避けたい」のか? | p.27 | 21分 | |
第2章 「動き」で判断する | p.59 | 10分 | |
第3章 「結果」にフォーカスする | p.74 | 18分 | |
第4章 すべては一瞬で決まる | p.102 | 23分 | |
第5章 「時間価値」を脳に刻む | p.137 | 23分 | |
第6章 「計画」を立てる | p.173 | 14分 | |
第7章 「中断」を管理する | p.194 | 10分 | |
第8章 「人生」を管理する | p.210 | 25分 | |
第9章 「行動」を起こす | p.248 | 12分 |