世界のトップリーダー達は、どのような時間の使い方をするのか。様々な世界のトップリーダーにインタビューしてきた著者が、彼らに共通する時間の考え方、使い方を紹介している一冊。
■無自覚に使われる時間こそが無駄
「Time is on my side(時間は常に私の味方だ」というのが、トップリーダーの時間に対する特徴的な考え方である。忙しく時簡に追われるのではなく、時間を支配し、味方につけて、自分の持ちうるすべての時間を意味ある事に使う。
トップリーダーには、無駄な時間は一切ない。これは、余暇の時間が全くないという意味ではない。余暇やバカンスなど「楽しむこと」を「無駄」と定義しているわけではないという事である。
彼らが「無駄」と感じているのは、無自覚に無意味に使われる時間の事である。例えば「何をしようか悩んでいるだけで、結局今日は1日中ダラダラしてしまった」「よく内容も確かめずに参加したら、自分とはあまり関係のない会議だった」といったように、自分の支配から離れてしまった時間を「無駄」と定義している。
■時間を支配するマインドセット
世界を舞台に活躍する「トップリーダー」には、「時間」という概念についての考え方に共通点がある。誰よりも忙しく働き、誰よりも「会いたい」と求められ、誰よりも「学びたい」という好奇心を持ち続けている彼らは、人生を通して時間の大切さを痛感している。
彼らは「時間は常に私の味方だ」と考えている。彼らは決して時間に追われる事がない。「時間を支配できる、味方につけられる者だけが、自分のすべき事を成し遂げられる」と信じている。「トップリーダー」には忙しい人特有の必死さや、悲壮感がない。今目の前にある「時間=人生」を楽しみながら、意識的に時間を使っているからである。
例えば、タクシーに乗っている移動時間も「街を眺める事で情報収集をしている」と考える。経営者仲間とのランチタイムは「長く続けられるビジネスの相手と、信頼関係を醸成するために必要な時間だ」と考える。睡眠のように誰もが当り前にとる時間でさえ、「仕入れた情報を脳に定着させるための時間」「リフレッシュして朝一番から仕事に取り組むために必要な時間」と捉える。
彼らにとってはすべての瞬間がゴールへの道のり。何一つ無駄な時間がないから、時間を使う事に罪悪感がない。このように「トップリーダー」は、時間に対する意識が高い。
彼らは日常的に使う時間の単位を小さくしていく事で、ざっくりと大雑把に時間を捉えてしまう事を予防している。1分を60秒、1時間を60分、1日を1440分、人生を30000日と表現してみる。このようなちょっとしたマインドセットや工夫が、時間に対する意識を高める。
■時間を支配するための3つの考え方
トップリーダーが時間を味方にするために考えているポイントは3つ。
①目の前の時間の価値を意識する
②「自己重要感」を高め、自分の時間の価値を意識する
③将来のビジョンを掲げ、そこから今この瞬間の選択を導き出す
著者 谷本 有香
Forbes JAPAN副編集長 兼 チーフイベントプロデューサー 証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年に米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスター、同社初の女性コメンテーターとして従事。 これまでに、トニー・ブレア(元英首相)、ハワード・シュルツ(スターバックス元会長兼CEO)をはじめ3000人を超える世界のVIPにインタビューした実績あり。 テレビ朝日「サンデースクランブル」、フジテレビ「ユアタイム」、TBS「ビビット」、Abema TV「AbemaPrime」「けやきヒルズサタデー」のコメンテーターはじめ多数のテレビ番組に出演。 2016年よりForbes JAPAN 副編集長 兼WEB編集長。同年4月より跡見学園女子大学兼任講師就任。また、ロイヤルハウジング株式会社上席執行役員も務める。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
日経ビジネスアソシエ2015年10月号 |
週刊ダイヤモンド 2015年 10/3 号 [雑誌] 三省堂書店岐阜店店長 渡邉 大介 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.10 | 5分 | |
第1章 世界トップリーダーは、1分を60秒、1時間を60分、人生を30000日と考える | p.25 | 16分 | |
第2章 世界トップリーダーが支配する、時間に関する3つの法則 | p.59 | 16分 | |
第3章 世界トップリーダーが実践する、「時間を味方」につける7つの方法 | p.93 | 25分 | |
第4章 世界トップリーダーが教える、「スピードアップ」する6つの時間術 | p.145 | 19分 | |
おわりに | p.186 | 3分 |