なぜ、本を読む必要があるのか。本を読む人が著しく減っている時代において、本を読むことで得られるものとは何かについて語っている一冊。
■成熟社会ではみんな一緒では幸せになれない
この成熟社会というものに対する理解がないまま、読書の意味を考える事はできない。日本は、20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ1人1人」という時代に変わった。「みんな一緒」の時代には、日本人にはパターン化した幸福論があった。日本人が共通の正解として持っていた「みんな一緒」の幸福論だ。
両親の言う事を素直に聞いて「いい子」にしていると、「よい高校」「よい大学」に入る事ができる。「よい大学」に入る事さえできれば、上場企業や有名企業などいわゆる「よい会社」に入れたり、安定した公務員になる事ができた。そこに潜り込む事ができれば、少なくとも課長ぐらいにはなれて、それなりの金額の年収を手にする事ができ、大きな問題さえ起こさなければ定年まで勤め上げる事ができた。
20世紀型の成長社会では、みんな一般的な幸福パターンに向かう周囲の流れに乗っていれば、7割方の人がライフデザインをあまり意識する事なく幸せになれた。しかし、成熟社会になると、ただ頑張っているだけでは「みんな一緒」の幸せをつかむ事はできなくなる。
自分で本を読み、自分で世界観を構築しなければ幸福論は築けない。これから先の日本では、身分や権力やお金による「階級社会」ではなく「本を読む習慣のある人」と「本を読む習慣のない人」に二分される「階層社会」がやってくるだろう。
著者 藤原 和博
1955年生まれ。教育改革実践家 大学卒業後、リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、 1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。 2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。2008〜2011年、橋下大阪府知事特別顧問に。2014年から佐賀県武雄市特別顧問。2016年から2018年まで奈良市立一条高等学校の校長を務めた。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経ビジネスアソシエ2015年12月号 |
PRESIDENT (プレジデント) 2015年 12/14号 [雑誌] |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 成熟社会では本を読まない人は生き残れない | p.13 | 11分 | |
第1章 本を読むと、何が得か? | p.33 | 21分 | |
第2章 読書とは「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること | p.71 | 16分 | |
第3章 読書は私の人生にこんな風に役立った | p.101 | 16分 | |
第4章 正解のない時代を切り拓く読書 | p.131 | 23分 | |
第5章 本嫌いの人でも読書習慣が身につく方法 | p.173 | 13分 |
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