変化の激しい時代において、40代となった棋士の羽生善治氏が考えることとは。
変化に応じて、経験や知識、独自の発想をどのように活かせば良いのかなどを思索する一冊。
■経験こそが智恵を生む
最近はどんな分野でも変化が非常に速く、経験を直感的に活かしにくくなっている。新しい事が重視され、すぐに次のトレンドへと向かって行く。
このような中で、経験が生きるのは、まずたくさんの事を知っている「知識」である。細かいところまで知識があれば、どんなケースが表れても直ちにそれに照らし合わせて答えを見つけ出す事ができる。
次に対応する力である。過去に学んだ知識の中に該当するものがなかったとしても、類似したケースを見つけたり、ポイントを見極めたりする事ができる。
知識は風化し、劣化する傾向がある。しかし、経験は直接的には役に立たなくても、今、取り組まなくてはならないテーマに対するアプローチ、方法、メソッドを選択する時に大切な材料になる。
先行きが見えない不透明な時代という表現がよく使われるが、歴史を振り返れば、いつの時代も不透明と言える。逆に先行きがはっきり見えている方が退屈でつまらない。五里霧中である事からは逃れられないのであれば、むしろその中に活路を見出した方が良いのではないか。その時に必要になるのが「野生の勘」ではないか。
野生の勘を急激に上げるのは難しいが、日々の生活に少しずつ変化をつけていけば、その訓練になるのではないか。
著者 羽生 善治
1970年生まれ。将棋棋士 1996年2月14日に将棋界で初の7タイトル独占を達成。 通算タイトル獲得数は、大山康晴に並び歴代1位タイ。全7タイトル戦のうち竜王戦を除く6つでの永世称号(永世名人(十九世名人)・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世棋聖・永世王将)の資格の保持に加え、名誉NHK杯選手権者の称号を含めた7つの永世称号の保持は史上初。
帯 東京大学大学院薬学系研究科 教授 池谷 裕二 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.5 | 2分 | |
1章「豊富な経験」をどう役立てるか | p.25 | 21分 | |
2章「不調の時期」をどう乗り越えるか | p.71 | 22分 | |
3章「独自の発想」をどう活かすか | p.119 | 21分 | |
4章「変化の波」にどう対応するか | p.165 | 22分 | |
5章「未知の局面」にどう適応するか | p.213 | 20分 |
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