脳科学の知見をもとに、最も効率のいい最新の記憶法・勉強法を紹介している一冊。
効果的に勉強するためのポイントを解き明かしています。
■覚えるために忘れる理論
忘れる事には大きなメリットがある。その1つが、人間に生れつき備わった、非常に精度の高いスパムフィルターとしての役割だ。余計な情報を忘れるおかげで、脳は大事な事に集中し、求めている情報を思い浮かべる事ができる。
さらに、忘却は学習の定着に一役買ってくれる。一度学習した事に戻ってより深く学ぼうとする時、脳はいくらかの情報を「遮断」しないといけない。多少何かを忘れないと、勉強量を増やしても何も得られない。つまり、トレーニングで筋肉が増えるように、忘れる事で学ぶ量が増える。
このシステムは完璧とはほど遠い。私達は瞬時に様々な事実を完璧に思い出す事ができる。しかし、複雑な事については、思い出すたびに内容が少し変わる。これは忘却のフィルターが、無関係な多くの情報と共に、関係のある情報もいくらか遮断してしまう事が一因にある。どんな記憶も、思い出そうとするたびに脳がアクセスする詳細が必ず変わるので、記憶の内容も変わってしまうのだ。
「覚えるために忘れる理論」によると、検索の力が下がる事で、忘れていた事実や記憶を再び見つけた時に、より深い学習を促進する。記憶の検索が困難になるほど、その後の検索と保存の力(学習の力)が高くなる。
著者 ベネディクト・キャリー
『ニューヨーク・タイムズ』紙サイエンスレポーター フリージャーナリストを経て、『ロサンゼルス・タイムズ』紙の記者として脳科学、医療、健康の記事を執筆。2002年にはミズーリ大学ライフスタイル・ジャーナリズム賞を受賞した。 2004年より『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者となり、神経科学、精神医学、神経学、日常の心理学を主なテーマとして活動している。 読者からのメールがもっとも多い人気記者のひとりで、25年にわたって科学と健康の記事を書き続けている。
帯 東京大学薬学部教授 池谷 裕二 |
マインドマップ的読書感想文 smooth |
週刊ダイヤモンド 2016年 2/6 号 [雑誌] (儲かる農業) 花まる学習会代表 高濱 正伸 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章 学習マシンとしての脳 | p.2 | 19分 | |
第2章 なぜ脳は忘れるのか | p.30 | 23分 | |
第3章 環境に変化をつける | p.64 | 22分 | |
第4章 勉強時間を分散する | p.96 | 17分 | |
第5章 無知を味方にする | p.120 | 27分 | |
第6章 ひらめきを生む | p.160 | 26分 | |
第7章 創造性を飛躍させる | p.198 | 20分 | |
第8章 反復学習の落とし穴 | p.227 | 24分 | |
第9章 考えないで学ぶ | p.262 | 21分 | |
第10章 眠りながら学ぶ | p.292 | 20分 | |
おわりに | p.321 | 10分 |
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