Apple、Google、Microsoft、Twitterなど世界有数の革新的企業のブランド構築プロジェクトを手掛けてきた著者が、創造性に火を点け、自分ならではの天賦の才能を発揮するためコツをまとめた一冊。
■ルールを打ち破れ
創造性を発揮するためのルールを守るには破らざるを得ず、守ろうとする過程で自然と破る形になる。したがって第一のルールは「ルールを破れ」だ。創造性を発揮するためのルールは杓子定規な決まりなどではなく、大雑把な原理原則に過ぎない。
①ルールを守るにせよ打ち破るにせよ、とにかくやってみる。
②結果をよく見る。
③自身の経験を下敷きにして、ルールを書き換える。
以上をやってみると、創造性に関するルールは確かにあると実感できる。但し、それは、創造性を発揮するための自分なりのルールだ。注意点は、自分ならではのルールが見つかったと思ったら、本当にそれだけの重みや信頼性があるのか、まずは昔ながらのルールと照らし合わせてみる事だ。
■「森」を見よ
人は複雑な問題を複数の部分に分けて考えたがる。複雑な問題を丸ごと抱え込むより、1つの部分に集中する方が容易だからだ。そうは言っても、全体像をしっかり把握しておかなければ、各部が全体にどう関わるかを見誤りかねない。事をさらに複雑にするのが、我々は感情や直観に惑わされがちだという点だ。初心者は自分の信念に騙されるし、上級者は自分の知識に騙される。そして最大のバイアスは、「自分にバイアスなどない」と思い込むこと。バイアスに対抗するには「森を見て考える」事が必要である。各部分がどう合体して全体を形づくるのかを見る。複雑な状況を様々な角度から見て、隠れた関係や意外な可能性を見つけ出そう。
■「虎穴」に入れ
「虎穴」とは即ち、現状と可能性を隔てる裂け目だ。裂け目の中は真っ暗で、不安と疑念に満ちている。先の見えない不安に耐えて、アイデアを引き出せるだけ引き出す人こそが天才だ。「虎穴」に転がっている未解決の問題は、創造的なエネルギーの最大の源泉である。
創造性を発揮する秘訣は、浮かんできたいくつかのアイデアを常に「流動的な状態」にしておくというもの。こうすれば、アイデア同士がぶつかり合って突然変異を起こしたり、再結合をしたりしてくれる。
創造的思考をするためには、既知のものを捨て去り、未知の領域に踏み込まなければならない。
■「斜め」にアプローチせよ
イノベーションによる価値の創出では、驚きを生むステップが鍵となる。みんなをアッと言わせるには、まず自分自身を驚かさなければならない。自身に目くらましを食らわせて、普段とは違う思考モードに追い込むテクニックは以下の通り。
①隠喩を使って考える。
②ビジュアルで考える。
③出発点を変えてみる。
④別分野のアイデアを盗んでみる。
⑤仲人役をする。
⑥反転してみる。
⑦シンプルな質問をする。
⑧偶然の出来事に注意を払う。
⑨書きとめる。
■「美」をものさしに
世界中の超一流の科学者、芸術家が昔から口を揃えてこう言ってきた。美を感じられないアイデアは、おそらく革新性にも欠けていると。美とは、相互に作用し合う3つの要素「驚き」「しっくり感」「優雅さ」を兼ね備えた1つの体系とみなせば理解しやすい。この3つの要素があいまって機能するアイデアは、周囲の状況を改善できる計り知れない可能性をはらんでいる。
著者 マーティ・ニューマイヤー
Liquid Agency トランスフォーメーション・ディレクター デザイン思考のオリジネーターのひとり。1990年代半ばまでに、数百におよぶブランドアイコンや小売りパーケージ、コミュニケーションツールを開発。当時のクライアントはアップル・コンピュータ、アドビシステムズ、イーストマン・コダック、ヒューレット・パッカードなど。 1996年、デザイン思考をテーマとする「CRITIQUE」誌を創刊、これを契機に、経営コンサルティング会社ニュートロンを創設。同社のトランスフォーメーション・ディレクターを務める。現在は、イノベーションやブランド構築などを手がけるLiquid Agency のトランスフォーメーション・ディレクターを務める。
帯 IDEO共同設立者 トム・ケリー |
帯2 グラフィックデザイナー ョン・マエダジ |
帯3 グラフィックデザイナー ポーラ・シェア |
帯4 作家 セス・ゴーディン |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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PART 1 どうやってイノベーションを起こすのか | p.15 | 17分 | |
PART 2 どのように仕事に取り組むべきか | p.57 | 19分 | |
PART 3 どのように学ぶか | p.105 | 20分 | |
PART 4 どうやって違いを生み出すか | p.155 | 13分 |