未来のビジョンを描き、逆算して今何をすべきかを導き出す
優れた戦略家は、過去を振り返って未来を予測するのではなく、まず未来を見通し、そこから今すべき事を導く。半歩先の未来をイメージできるかどうかが、勝者と敗者を隔てる大きな違いになる。優れた戦略家とは、ビジョンが優れているのではなく、機会を逃さない人である。
1.未来のビジョンを描き、次に境界線と優先度を設定する
2.顧客のニーズを先取りし、次に必要な能力を取得する
3.競合他社の動きを予測し、次に参入障壁の構築と顧客の囲い込みを行う
4.業界の変曲点を予測し、次に変更と軌道修正を実施する
会社を危険にさらすことなく、大きな賭けをする
ゲイツは、マイクロソフトの経営が安定するのを待ってから、IBMに勝負を挑んだ。グローブは設備投資を長期的かつ段階的に実施して、賭けのリスクを減らした。ジョブズもリスクを減らすために賭けのタイミングを慎重に判断した。彼らは大胆ではあるが、無謀ではなかった。
1.ゲームを変える大きな賭けに出る
2.会社を存続の危機にさらさない
3.自社の事業を共食いする
4.損失をカットする
製品だけでなく、プラットフォームとエコシステムを構築する
優れた戦略家になるためには、大きな視点で思考する必要がある。長期的な競争優位を維持するためには、自社の枠組みを超えて、世の中に影響を与えなければならない。特にテクノロジー業界では、優れた製品や会社の構築のみを目指してはいけない。業界全体にまたがる「プラットフォーム」を構築して、補完的な製品やサービスの開発を促し、販売、サービス、流通など幅広いパートナーからなる「エコシステム」を構成すべきだ。
1.製品だけでなく、プラットフォームについても考える
2.プラットフォームだけでなく、エコシステムについても考える
3.自ら補完製品をつくる
4.プラットフォームの改善と新規構築によって陳腐化を避ける
パワーとレバレッジを活用する
ゲイツ、グローブ、ジョブズは、競争へのアプローチにおいて頭抜けた柔軟性を発揮し、パワーを駆使した戦術だけでなく、一般的には小規模な新興企業がとると思われるような戦術も自由に採用した。
1.目立たないようにする
2.敵を近くに保つ
3.競合他社の強みを取り込み、拡張する
4.力に物を言わせる事を恐れない
個人的な強みを核にして組織をつくる
ゲイツ、グローブ、ジョブズは、戦略実行や組織構築の課題に取り組む際にも、自らの個人的な強みに依存していた。3人には欠点があったが、それを補えるだけの長所のあるリーダーだった。
1.ありのままの自分を知る
2.厳選した対象の細部に注目する
3.大局を見失わない
4.「知識」を持つ人に力を与える