よい人生を生きるには、誰かが選んだ人生から、抜け出さなければならない。周りの環境に流されず、自分を持ち、行動するにはどうすればいいのか。自分になるための5つのステップを紹介して、自己を確立するための方法を説きます。


■人生を自分で選び取れ
多くの人々は賭けとは無縁で、こうあるべしと他者が決めた通りに一生を送る。生まれた場所で他者が、あるいは偶然が敷いたレールに乗り、そのまま走り続ける。レールを降りない理由は、怖いから、面倒だから、従順であるべきだと思っているからなどそれぞれだ。そして人生の枝葉末節にちょっとした幸福を見つけてどうにか生きていく。

人間ならほぼ誰もが人生を自ら掌握する力を持っている。まずはあなた自身が、日常の惰性、慣れ、レールが敷かれた人生、誰かが選んだ人生から抜け出さなければならない。人生を自分で選び取らなければならない。今必要な気構えは、権力者を当てにしないこと。問題に立ち向かい、人生を成功に導くには、自信をもたなければならない。そして自分を大切にすること。何でもできるのだと自分に言い聞かせることである。

自分の道を見いだし、人生を成功に導き、自分がこの世にいる理由を見つけて「自分になる」こと、そして自力で難問に立ち向かう勇気を持つ事である。

結局のところ、よい人生、よりよく生き抜く人生とは、自分を探し、自分を見つけ、見失い、また探しというのを絶えず繰り返していく人生の事である。

著者 ジャック・アタリ

1943年生まれ。経済学者 1981‐1990年、ミッテラン政権の大統領特別補佐官を務め、多くの次世代の人材を育てた。1991‐1993年、「ヨーロッパ復興開発銀行」の初代総裁となる。 1998年にはNGO「プラネット・ファイナンス」を創設し、現在も途上国支援に尽力している。 2007年、サルコジ大統領に依頼され、大統領諮問委員会「アタリ政策委員会」の委員長となり、21世紀に向けてフランスを変革するための政策提言を行なった。