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2016/07/28更新

投資される経営 売買(うりかい)される経営

212分

6P

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持続的価値を生み出し投資家から評価される企業の条件とは何か

長期間にわたり株式を保有し続けてパフォーマンスを上げる投資家は、企業の何を見ているのか。投資家の思考を解説し、投資家から評価される会社の条件とは何かを紹介している一冊。


■長期投資家は「相対比較」しない
長期投資家は「どの会社を買うべきか」を突き詰めて考える。投資業では買った後に価値を足せることはほとんどない。そのため、その会社は長期間にわたって本当に強みを持ち続けられる会社なのかを十分に見極める。

「何を買うか」と同じくらい大事な点が「いくらで買うか」である。その会社の本来の価値に比べて、割安な価格で買わないと元も子もない。多くの投資家は、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)、配当利回りといった指標を使い、過去の株価や同業他社の株価との比較を頻繁に行っている。しかし、この考え方では、世の中の流れや業種の人気度が変わると、割安・割高の判断も大きく変わってしまう。長期投資家は「相対価格」は気にしない。それどころか業績すらあまり気にしない。

超短要約

■投資家の考え方
事業の付加価値の厚みは典型的に「粗利率」に現れる。投資業界でこの粗利率を考えると、どんなに優れた投資家でも毎年10%のリターンを確実に出し続けるのは困難である。上場株式への投資事業は、利の薄い経済性の中で営まれている。少人数で大きな金額を動かさないと儲からない商売だからこそレバレッジをかけなければ成り立たない。

「投資事業は付加価値が薄い」ということは「自分以外の何か」、つまり投資先企業への依存度が高いことになる。投資家の多くが短期の業績や株価に対して神経質に見えたり、保守的に見えたりするのは、すべてこの「依存度の高さ」に原因がある。短期投資家は短期の「業績」を類推することで依存度の高さを低減しようとし、デイトレーダーは「株価」の上下だけを追いかけることで会社への依存度を払拭してしまおうと考える。

一方、長期投資家は「どの会社を買うべきか」を突き詰めて考える。投資業では買った後に価値を足せることはほとんどない。そのため、その会社は長期間にわたって本当に強みを持ち続けられる会社なのかを十分に見極める。

著者 中神 康議

みさき投資株式会社代表取締役社長 大学卒業直後から経営コンサルティング業界に入る。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、コーポレイトディレクション(CDI)のパートナーとして、約20年弱にわたり幅広い業種で経営コンサルティングに取り組む。数多くのクライアント企業価値向上の実体験を元に、『働く株主』(R)投資モデルの有効性を確信。 2005年に投資助言会社を設立し、上場企業への厳選長期エンゲージメント投資活動を開始。数々のエンゲージメント成功事例を産む。2013年にはみさき投資株式会社を設立し、引き続きエンゲージメント投資に取り組んでいる。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 6分
第1章 なぜ投資家は分かりづらい行動をとるのか--投資家生態学 p.17 19分
第2章 会社には(当たらずとも遠からずの)「絶対価値」がある p.47 17分
第3章 持続的に価値が上がる会社とはどんな会社か p.73 21分
第4章 「投資される経営」--持続的価値向上の事例集 p.105 31分
第5章 「投資される経営」のための基本ガイド p.153 36分
おわりに p.209 9分

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