コント一筋28年。『サラリーマンNEO』『LIFE! ~人生に捧げるコント』など、これまでコント作品を5000本以上書いてきた放送作家が、アイデアを生み出すための仕事術を紹介している一冊。
■アイデアはひねり出すもの
「コントを作る時、どうやってアイデアを思いつくんですか?」と必ず質問される。正直に答えるならば「自分でもわからない」ということ。
「アイデアが出てこなかったことはないんですか?」という質問も同じくらい聞かれる。決まって答えるのは「正直に言って、アイデアが出なかったことはありません。スランプに陥ったことは一度もありません」ということ。
「アイデアが出なかったことが一度もない」とは、アイデアが出ないなんてことが許されないということである。放送作家は基本的にフリーで仕事をしており、何の保障もなく、代わりはいくらでもいる。だから、アイデアが出ないという発想自体がなく、たとえ何があろうと出さなければならないものであり、スランプなどと悠長なことを言っている暇はない。
どうしてもアイデアが出ない場合は、考えて考えて考えて、そして「ひねり出す」のである。アイデアは、決して降りてこない。焦らず諦めずに向き合えば、何とかなる。
どうしてこのテレビ業界で、フリーランスとして長くやってこられたのかと問われれば、運に恵まれていたとしか言いようがない。正確に言うと、人に恵まれたということである。
今までの仕事でも、自分で企画して自ら動いて始めようとしたことは、必ずしもいい結果にはなっていない気がする。ここまでなんとか続けてこられたのは、「すべて流れに身を任せる」ということに尽きる。
唯一心がけてきたことは、頂いた仕事と真摯に向き合って、丁寧にこなしていく。そして、どこか一カ所でも、相手をニヤッとさせることをやる、ということ。
著者 内村 宏幸
1962年生まれ。放送作家 1988年、フジテレビ『笑いの殿堂』で放送作家としてデビュー。 以降、『オレたちひょうきん族』『夢で逢えたら』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば! 』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『笑う犬シリーズ』(以上フジテレビ)、『ウンナンの気分は上々。』(TBS)、『内村プロデュース』(テレビ朝日)、『サラリーマンNEO』『祝女 ~shukujo~』『LIFE! ~人生に捧げるコント~』『となりのシムラ』(以上NHK)など、数々の人気番 組のコントを手がける。 これまでに書いたコント作品は5000本以上。
帯 お笑い芸人 内村 光良 |
帯2 俳優 ムロツヨシ |
帯3 コメディアン 塚地 武雅 |
帯4 お笑い芸人 いとう あさこ |
帯5 お笑い芸人 塙 宣之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序 章 気がつけば放送作家 | p.5 | 15分 | |
第一章 笑いを生み出すチーム力 コントはこうして作られる | p.31 | 17分 | |
第二章 指摘を吸収する力 現場ごとにいろいろな学びあり | p.59 | 18分 | |
第三章 キャラクターを生み出す妄想力 あのキャラの誕生秘話 | p.89 | 14分 | |
第四章 土壇場でひねり出す力 たぶん役立つ15のヒント | p.113 | 32分 | |
第五章 企画のセンスを磨く力 アイデアは身近なところに転がっている | p.167 | 12分 | |
いとこ対談 | p.187 | 10分 | |
あとがき | p.204 | 1分 |