元記者と事業再生のコンサルタントが、ビジネスシーンの中で、いかに伝えるべきことを、うまく相手に伝えるかというテーマを元に、説明力を高めるのに必要なポイント「発信力」「独立力」「情報力」「調整力」を紹介している一冊。
■発信力
巧みなプレゼンを実現するためには、伝達のための「形」を身に付ける必要があり、自らのプレゼンを十分に「寝かせて」熟成させることが、ポイントの1つとなる。あらゆる情報伝達のポイントは5W1Hである。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の6つの要素をきっちりと盛り込むことが基本的な枠組みとなる。
形を身につける効用の1つは、必要な情報が何なのかを素早く意識できるようになることだ。多くの情報の中から、必要な情報を選り分ける。または、不足した要素を尋ねるという作業が無駄なくスムーズに行えるようになる。
説明力に必要なポイントは4つ。「発信力」「独立力」「情報力」「調整力」である。この4つの力は、それぞれに独立した要素ではない。相互に密接に関係している。
①発信力
・メッセージは、事実を正確に伝え、着実に伝達することではじめて期待した効果を生み出す
・「真似」でもいい、まずは「形」を身につけるところからスタートすること
②独立力
・「独立力」とは「言うべき時に、言いたいことを言う。いざとなれば辞表を出す」ための力
・自由にものを言うためには、それだけのスキルと知見が不可欠
・社外でも通じるスキルと人脈を構築し、クールな外部目線を自身にフィードバックすること
③情報力
・情報は交換してはじめて意味を生み、深まりを見せる
・情報力=モノ(情報)×ヒト(人脈)
④調整力
・調整力=交渉の相手方に対する調整力+組織内部に対する調整力
・あらかじめ対社外での譲り代を確保しておくことで、Win-Winの信頼関係を構築すること
著者 小野 展克
1965年生まれ。嘉悦大学教授・ビジネス創造学部長 共同通信社で記者として財務省、金融庁、経済産業省、大手銀行、航空業界などを担当、日本銀行キャップ、経済部次長を歴任。
著者 池田 聡1967年生まれ。経営共創基盤(IGPI)パートナー、マネージングディレクター 日本銀行にて金融機関の経営モニタリング等を担当。産業再生機構では企画調整室のほか、カネボウをはじめ5件の事業再生案件を担当。 IGPI設立後は、大手航空会社・大手エネルギー会社の再建計画策定、事業再生ADRを活用した百貨店の再生、小売・飲食チェーン等の経営改善計画の策定に従事。 内閣府企業再生支援機構準備室上席政策調査員、原子力損害賠償・廃炉等支援機構執行役員・参与などを歴任
帯 経営共創基盤代表取締役CEO 冨山 和彦 |
THE21 2016年 12 月号 |
日経トップリーダー |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 6分 | |
第1章 発信力―腹落ちするメッセージを簡潔に伝える | p.25 | 27分 | |
第2章 独立力―ムラ社会の論理から脱却せよ | p.75 | 23分 | |
第3章 情報力―自ら信頼に足る人物となれ! | p.117 | 23分 | |
第4章 調整力―あなたの発言力を最大化するための武器 | p.159 | 23分 |
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