人が自ら進んで動きたくなるような仕掛けはどのように作るのか。仕掛けとは何かについて、解説し、その作り方を紹介している一冊。
■人の行動を変える仕掛け
人の行動を変えるには、無理やり行動を変えさせようとするのではなく、つい行動を変えたくなるように仕向ける。「ついしたくなる」ように仕向けることは不確実性を含むので遠回りに見えるかもしれないが、正攻法が効かない場合には有望なアプローチになる。
この行動を変えるきっかけになるものを「仕掛け」と呼ぶ。身近な整理整頓1つとっても、駐輪場の線、バスケットゴールのついたゴミ箱、背表紙の一枚絵など、動く歩道の足跡など様々なアプローチがある。
例えば、男子トイレにある「的」のついた小便器。この的は「つい狙いたくなる」という心理をうまく利用している。的は飛散が最小になる場所に貼られているので、的を狙うことによって知らず知らずのうちにトイレをきれいに使うことに貢献することになる。
人はデータに頼らなくても道端にひっそりと咲く花や鳥のさえずりに気づく。必要なのはデータでもコンピュータでもなく、生活空間の魅力を人に気づかせる「仕掛け」である。仕掛けは見えているのに見ていない、聞こえているのに聞いていない生活空間の魅力に気づかせるための仕組みである。
著者 松村 真宏
1975年生まれ。大阪大学大学院経済学研究科 准教授 2004年より大阪大学大学院経済学研究科講師、2007年より同大学准教授、現在に至る。2004年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校客員研究員、2012~2013年スタンフォード大学客員研究員。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
週刊ダイヤモンド 2016年 11/5 号 [雑誌] (こんなに簡単! 格安スマホ最終決断) 三省堂書店岐阜店店長 渡邉 大介 |
日本経済新聞 |
日経ビジネスアソシエ2017年1月号 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある | p.9 | 15分 | |
1章 仕掛けの基本 | p.47 | 13分 | |
2章 仕掛けの仕組み | p.81 | 20分 | |
3章 仕掛けの発想法 | p.131 | 15分 | |
おわりに | p.168 | 1分 |