電通のコピーライターが、言葉を磨くための思考法を紹介している一冊。伝わる言葉を得るためには、自分の考えを磨く必要があると説き、その方法を紹介しています。
■自分の意見を育てることが大切
言葉は自分の意見を伝え、相手の意見を聞くための道具とされる。そして、言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要がある。「伝わる言葉」を生み出すためには、自分の意見を育てるプロセスこそが重要であり、その役割をも言葉が担っている。
発言や文章といった「外に向かう言葉」を磨いていくためには、自分の考えを広げたり奥行きを持たせるための「内なる言葉」の存在を意識することが絶対不可欠である。なぜなら、言葉は思考の上澄みに過ぎないからである。考えていなことは口にできないし、不意を突かれて発言をする時、つい本音が出てしまう。そのため、思考を磨かなければ言葉の成長は難しいとも言える。
人間は、相手の言葉に宿る重さや軽さ、深さや浅さを通じて、その人の人間性そのものを無意識の内に評価している。つまり、相手の胸に響く言葉を生み出すために必要なのは、実際に書いたり、話したり、入力したりする「外に向かう言葉」そのものを磨くことではない。
内なる言葉を磨く唯一の方法は、自分が今、内なる言葉を発しながら考えていることを強く意識した上で、頭に浮かんだ言葉を書き出し、書き出された言葉を軸にしながら、幅と奥行きを持たせていくことに尽きる。
著者 梅田 悟司
1979年生まれ。電通コピーライター 在学中にレコード会社STAR STARTS RECORDSを起業した後、電通入社。マーケティングプランナーを経て、コピーライターに。 広告制作の傍ら、産学共同プロジェクトの立ち上げ、新製品開発、アーティストへの楽曲提供など幅広く活動。 カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞、観光庁長官表彰など国内外30以上の賞を受ける。 横浜市立大学国際都市学系客員研究員。
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
日経ビジネスアソシエ2016年12月号 |
週刊ダイヤモンド 2017年 3/4 号 [雑誌] (データ分析 勝つための絶対スキル) 丸善・ジュンク堂書店営業本部 宮野 源太郎 |
THE21 2019年 6月号 レオス・キャピタルワークス代表取締役 藤野 英人 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.3 | 2分 | |
1 「内なる言葉」と向き合う | p.15 | 27分 | |
2 正しく考えを深める「思考サイクル」 | p.61 | 47分 | |
3 プロが行う「言葉にするプロセス」 | p.143 | 64分 | |
おわりに | p.253 | 1分 |