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2016/11/21更新

「言葉にできる」は武器になる。

185分

6P

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内なる言葉と向き合う

言葉を生み出すプロセスには、次の二段階が存在する。

①「内なる言葉」で意見を育てる
物事を考えたり、感じたりする時に、無意識の内に頭の中で発している言葉。あらゆる感情が頭に浮かぶ時には、必ずこの内なる言葉を伴っている。

②意見を「外に向かう言葉」に変換する
自分の意見や思いに言葉という形を与えたもので、主に他者とのコミュニケーションをとる役割を担っている。

人々が相手の言葉に対して感じる、言葉が「重い、軽い」「深い、浅い」という印象は、内なる言葉と向き合うことによって、自らの思考をどれだけ広げ、掘り下げられたかによる。その一方、外に向かう言葉だけをどんなに鍛えたところで、言葉の巧みさを得ることはできるかもしれないが、言葉の重さや深さを得ることはできない。

最も基本的であり、重要なのは、1人の時間を確保し、自分自身の中から湧き出る「内なる言葉」と向き合うことである。内なる言葉と向き合うことは、自分の視点と向き合うことと同意である。そして、自分の視点に気がつくことが、外に向かう言葉を磨き、自分の言葉を持つ出発点となる。

内なる言葉を磨く方法

内なる言葉を磨く唯一の方法は、自分が今、内なる言葉を発しながら考えていることを強く意識した上で、頭に浮かんだ言葉を書き出し、書き出された言葉を軸にしながら、幅と奥行きを持たせていくことに尽きる。

①頭にあることを書き出す
頭の中のあらゆる考えを外に出し、形を与えることで、どれだけ自分が考えているかを把握する。頭の中を客観的に見渡すことができるようになるため、自分の考えがいかに一貫性がなく断片的であるかに気づくことができる。

②「T字型思考法」で考えを進める
「なぜ?」(考えを掘り下げる)「それで?」(考えを進める)「本当に?」(考えを戻す)の3点をキーワードに、内なる言葉を拡張し、解像度を上げていく。

③同じ仲間を分類する
頭の中の机に散らばった資料を同じ仲間同士に分類し、大きな方向性に分ける。すると、いかに自分が偏った幅の中でしか考えられていないかが目に見えてわかるようになる。

④足りない箇所に気づき、埋める
足りない部分を埋め、内なる言葉の解像度を上げる。横と縦のラインを拡充することで、内なる言葉の密度を濃くする。

⑤時間を置いて、きちんと寝かせる
時間をあけることで、もう一度作業に取り掛かる時には頭がリフレッシュしているため、より客観的に作業に取り組むことができるようになる。

⑥真逆を考える
真逆を考えることで「自分の常識や先入観から抜け出し、別の世界へと考えを広げていく。

⑦違う人の視点から考える
特定の誰かを思い浮かべ、その人になりきって、ある課題や物事をどう考えるかを想定してみる。