超予測者を目指すための10の心得
①トリアージ
努力が報われそうな質問に集中する。単純な経験則を当てはめれば正解に近づける質問、凝った統計モデルを使っても、見通せない質問に時間をかけるべきではない。
②一見手に負えない問題は、手に負えるサブ問題に分解せよ
問題を知り得る要素と知りえない要素に分解する。無知をさらけ出し、自らの仮説をはっきりさせ、吟味する。誤ることを恐れず、できるだけ頭を使って推測する。曖昧な言葉で問題を覆い隠すより、誤りは早いタイミングで見つける。
③外側と内側の視点の適度なバランスを保て
100%「唯一無二」なものはない。唯一無二かどうかは程度の問題である。一見唯一無二と思われる事象についても、比較対象を探してみる。超予測者は外側の視点を確認するために「この手の事象がこの手の状況で発生する頻度はどれくらいなのか」と自問する習性がある。
④エビデンスに対する過少反応と過剰反応を避けよ
優れた予測者は、それが起こる必要条件に関わるちょっとした先行指標に目を光らせる。気をつけなければならないのは、他の人々が気づく前に小さな手がかりを見つけるのと、誤った手がかりに踊らされることの差はわずかだということだ。最高の予測者は、アップデートを小刻みにする傾向がある。
⑤どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ
優れた政策論争では、少なくとも頭に入れておくべき反論が常に存在する。主張を固める前に、どんな兆候があれば自らの意見を逆方向に修正すべきか考えてみることだ。
⑥問題に応じて不確実性はできるだけ細かく予測せよ
世の中には絶対確実、あるいは絶対ありえないということは少ない。だから不確実性について、頭の中に3つ以上の選択肢を持つこと。細かなニュアンスが必要だ。不確実性の段階を細かく区別できるほど、予測の質は高まる。
⑦自信過少と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよ
超予測者は、決断力を発揮するタイミングと自己主張を抑えるべきタイミングの切り替えを常に意識する。長期間にわたって正確性を維持するには、予測の正確さと明確さの両面で高スコアをとる必要があり、予測のスタンスをコロコロ変えるようではいけない。
⑧失敗した時は原因を検証する。但し、後知恵バイアスには用心せよ
自分の失敗を正当化したり、言い訳をせずに向き合う。決然と事後分析に取り組む。
⑨仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらう
高度なチーム・マネジメント技術を身につける。特に重要なのが、相手の立場を理解すること、正確な問いかけ、建設的な対立である。
⑩ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなせ
何かを習得するには実際にやってみる必要があり、そこにはフィードバックが必要である。